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自分が決める・変える

きょうは台湾総統選の投開票日です。日本の選挙と異なるのは、その投票率の高さです。日本の国政選挙では期日前投票や在外投票の制度がありますが、台湾ではそれがないにもかかわらずはるかに上回る要因はどこにあるのか、学ぶべき点が多いと感じます。
先日読んだ「世界」(2024年1月号)で、上智大学法学部教授の三浦まり氏が「法学部で政治学を教えて20年になるが、法律を自分たちで作り替えることができる、政治によって社会が良くなる、自分たちも政治を良くすることができる、と思っている学生はほとんどいない。法秩序は学び、受け入れ、守るものであり、それをおかしいと疑ったり、まして変えてもいいものだとは思っていないのである。どうやらわたしたちの社会は、根本的なところで政治主体性をもつ市民を育成することに失敗し続けているようだ。」と書いていました。法学部の学生のなれの果ての一類型である法律専門職に就いている方の中にもそういう傾向が見られますから、ハナから主権者意識が学校教育で身に付いていないのかもしれません。
それどころか社会的弱者を蔑む冷笑的なレイシストに身をやつした大人に出くわすこともあります。そういえば、先日、山口市の「はたちの集い」には、アイヌの民族衣装を着用した人を揶揄して札幌や大阪の法務局から人権侵犯を認められた女性国会議員が、招かれていました。そして何をその場所で話したかというと、臣民意識を求めて先の大戦を美化する内容でした。こういう大人になりたくないなという思いを抱いた参加者がいてくれたら、反面教師の意味もあったかもしれませんが、それを望むのは淡い期待でしかありません。権力者に操られるのではなく自分で決める・変える大人が増えないと社会は良くならないと、言い続けていくしかありません。
写真は台北市。2018年7月撮影。

おとり広告を見破る

最近はテレビで見かけることが少なくなったアベ友の政治評論家にある回転すし大手の屋号が冠せられていましたが、その名のすし店チェーンの9割の店舗でウニの在庫がないにもかかわらず、ウニを前面に出したテレビCMを放映していたそうです。そのため、公正取引委員会から「おとり広告」だとして措置命令が出されたことがニュースになっていました。このようにモノを売るビジネスでは、おとり広告にあたるかそうでないかが分かりやすいと思いますが、私たちのように士業だと、提供するのは依頼内容の成果ですから、消費者からすると広告主の実力が分かりにくいかもしれません。たとえば、事務所ホームページで「ナンバーワン」などと最高表記を強調している例がありますが、テレビCMや新聞広告でその表記を使用する際には公的な根拠情報の併記が求められます。士業の場合、実際にそうした根拠情報を示すのは困難であり、事実上、ネット上の「ナンバーワン」表記は虚偽もしくは真正を証明できないものと判断して差し支えないと思います。たとえば、私が所属する団体では業務分野別に取扱件数総数が毎年公表されています。ある業務分野における自事務所の取扱件数が団体全体のそれの過半数であれば、「ナンバーワン」の可能性はありますが、団体が公表する件数が全所属会員から回答があったわけではないので、根拠として使えるかという問題もあります。したがって、士業の事務所ホームページにおいて「ナンバーワン」表記が確認できた場合、それは「おとり広告」といえますし、景品表示法等の広告関連法令の知識がないレベルともいえます。
写真は台湾の士林夜市から。

ゆうちょ銀行熊本支店で無料相談

熊本県行政書士会主催による下記の行政書士による無料相談会へ相談員として参加します。最近オープンした熊本屋台村近くの熊本城東郵便局内で行っています。
日時:6月16日(木)10~15時
場所:ゆうちょ銀行熊本支店 熊本市中央区城東町1-1
写真は、台湾の士林夜市の店先(2018年7月撮影)。

アミノ酸降臨

けさの朝日新聞1面トップには、「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った砂の中に生命の源となるアミノ酸が見つかったことを報じていました。これによって地球にはもともとなかったアミノ酸が隕石によって持ち込まれた、つまり宇宙由来であることを裏付ける成果が得られたことになります。天孫降臨は荒唐無稽な神話ですが、アミノ酸降臨は極めて可能性が高いわけで、人類の源はアフリカですが、新型コロナ含めて生命の源は地球外にあったという時空スケールが一層大きい話になってきます。
写真は、台湾の士林夜市の風景(2018年7月撮影)。

政令市の県議は必要か

一昨日投開票だった熊本県議補選熊本市第1区の投票率はわずかに18.57%、過去の県議選(補選を含む)を通じて最低なのだそうです。もともと議席を任期途中で放り投げた2議席の空きを埋める選挙でしたので、有権者の関心も低かったのだろうと思いますが、それにしても補充の必要があるのかと議員の存在感の薄さを感じる選挙でした。実際、政令市と県ではさまざまな施策のすみ分けができており、政令市の県議の選出がわざわざ必要かという考え方もあるかと思います。市町村の行政事務において広域連合を組むことがありますが、その広域連合にも議会があり、その議員は所属する各市町村議会の議員から割り当て数に応じた代表という形で送り出されます。つまり市町村議員の一部が広域連合議員を兼職するのです。広域連合の長や選挙管理委員の選出・選任も同じやり方です。政令市選出の県議の仕事といっても国会議員の子分としての活動ぐらいしかないなら、政令市議の代表を県議会へ送り込んだ方がよほど仕事をしてくれそうとすら思えます。選良の出し方にはいろんなやり方が現行憲法の下でも考えられると思います。固定観念に縛られずより良い県政のあり方を議論してみてもいいかもしれません。
写真は台北にある総統府(2018年7月撮影)の建物。1919年に完成したそうです。台湾の街中ではよく政治家の巨大看板を見かけます。事務所の壁面にポートレート写真が張り出してあり、氏名と学歴・生年を強調しています。相当の自信がないとできないと思いますし、日本ではさまざまな法規制があり、できないのかもしれませんが、やっとみるとおもしろいと思います。

熊本城東郵便局で無料相談

原則毎月第3木曜日(祝日等の場合、その後最初の平日)の10:00~15:00、ゆうちょ銀行熊本支店1F(熊本市中央区城東町1-1 熊本城東郵便局)において熊本県行政書士会会員の行政書士による無料相談会を行っています。今月(7月)は、15日(木)10~15時に開催されます。当日は担当相談員として参加します。写真は投稿記事と関係ありません。

難民迫害は愚の骨頂

難民送還規定に問題がある入管法改正の今国会における成立がなくなりました。入管施設における長期収容が国際的な批判を受けていたために、それを解消するための改正に際して新たな人道上の過ちを引き起こそうとしていたのが改正案の実態だったように思います。技能実習制度もそうですが、外国人と日本人との人権の扱いに線引きをして扱うというのが法務省という役所の体質なのではないかとすら思ってしまいます。人権擁護の部署もあるのですが、実態はお寒い限りでそれらの関係者の識見の低さに驚かされた経験もあります。