国民の権利保障は行政の義務

昨日の投稿でHACCP導入の義務化について触れました。そこで、地元の飲食業組合の幹部に小規模飲食店での導入状況について聞いてみたのですが、多くの店主の反応はというと、導入の義務化について知ってはいるものの現下のコロナ対策で手いっぱいで、HACCPどころではないという空気が大勢ということでした。食品製造業であれば、販売先から導入が取引条件として求められることがあるかもしれません。しかし、小規模飲食店のお客にしてみれば、HACCPという単語自体を知りませんし、実際に取り組まれているのか知るよしもありません。つまり消費者アピールとしては弱い面があります。店側にとって毎日の業務の中でしかも限られた従事者にとって衛生管理の記録を付けることは煩雑ということもあります。記録方法については、IT化もあるかと思いますが、コストやリテラシーの課題もあります。さらには、行政現場の問題もあります。食品衛生管理については保健所がその最前線となりますが、こちらもコロナ対応で手いっぱいなのではないでしょうか。
法律は、国民に法律を守る義務を求めますが、国民の権利を保障するために行政に義務を課してもいます。話は変わりますが、現在、女子差別撤廃条約を批准していながら、個人通報制度の導入を定めた条約議定書の批准をしないままの政府に対して批准を迫る動きがあります。これなどは、表向きは女子差別撤廃をうたいながら、女性の権利を実際に保障する仕組みは働かせていないことになり、法律はあるけど守らないといっているようなものです。国民に義務を求める以前に行政が義務を果たさなければならない問題は、ずいぶんあります。