信仰の自由と科学的真実との対立

偶像崇拝を禁じるイスラム教預言者の風刺画を授業で題材にしたために、フランスのパリ近郊の中学校教員が殺害される事件が先日起きました。信仰の自由も権利の一つですが、特に公教育の現場では、科学的真実と対立することがあります。同様の衝突は、先進国とみられている米国でも抱えています。人類の起源を突き詰めていくと進化の歴史に出会いますが、神が創造したとする反進化論の考えに立つ信仰の厚い人たちの勢力は意外に大きく、公教育で進化論を学ぶ機会がないのがほとんどとされます。日本においても先の大戦の時期まで特別科学学級に属するスーパーエリートの子どもを除いて神国日本を信じ込ませるでたらめな教育をしていたのですから、どこにでもあったともいえます。信仰の自由は権利の一つといいましたが、科学的真実を追求する学問の自由も同様に権利の一つです。あらゆる宗教には神話があり、科学的真実に照らすと、しばしば荒唐無稽な物語となりますが、尊重することも重要です。それを信じない人への攻撃がない限り権利を踏みにじらない寛容さが必要です。国家や民族・人種というのは約束事に過ぎなく地球上の人類はすべて同じ人間です。どう共存したらいいのか、難問です。