歴史総合科目の時代

今読んでいる『現代東アジアの政治と社会』のまえがきで知ったのですが、これまで「世界史」と「日本史」に分けられていた高校の歴史教科書は、2022年から「歴史総合」として生まれ変わるそうです。本書の著者自身も、「一国史は本来成立せず、輪切りにした歴史を積み重ねてこそ真の理解ができる。」と書いています。たとえば、日中戦争の要因を見ていくなら、当然、日本側だけの視点だけでは追えません。当時の中国にはさまざまな政権勢力があり、それぞれの指導者の考えを振り返ると、いかに日本側の指導者の読みが浅かったかということも分かります。一言で指せば複雑怪奇です。軍事力だけで渡り合えば道を誤るということも歴史が示しています。逆に言えば外交手腕が軍事力に優る結果をもたらした歴史もあります。そうこう考えると、現代における外交をどう進めるべきか、学ぶ点は大いにあります。