貶めるということ

25年前の8月15日に当時の首相が出した「村山談話」は、アジア・太平洋戦争についての日本政府の歴史認識を示した、公式見解として歴代内閣に引き継がれています。しかし、その後も、その歴史認識を受け入れず誤った言動をする国民がいることも事実です。こうした動きについて、村山元首相が今年の8月15日に出したコメントのなかで、「日本の過去を謙虚に問うことは、日本の名誉につながるのです。逆に、侵略や植民地支配を認めないような姿勢こそ、この国を貶めるのでは、ないでしょうか」と言っていました。これについては、全面的に賛同します。
昨日から読み始めた北野隆一著『朝日新聞の慰安婦報道と裁判』のなかで、まさに国を貶める動きを思い起こしたので、紹介しておきます。一つは、2007年6月14日付け「ワシントン・ポスト」紙に掲載された、櫻井よしこ氏らによる意見広告「THE FACTS(真実)」です。この広告は、日本軍によって強制的に従軍慰安婦にされたことを示す文書は見つかってはいない、慰安婦はセックス・スレーブではなかった、などと訴えるものでした。慰安婦=公娼だから問題ないとするこの意見広告は米国内から強烈な批判を浴びました。同書では直接的な記載はありませんでしたが、2013年5月13日の橋下徹大阪市長(当時)の「慰安婦制度は必要だった」「米軍、風俗業活用を」の発言も、やはり国内外から多くの批判の声が上がった動きとして記憶に残る出来事でした。櫻井・橋下両氏の主張は、歴史認識以前に女性の人権を何も考えていません。この一点をもってして、国際的な常識でいう知識人の水準には達していないことを示していると私は考えています。ましてやこの程度の人物が政治の諸課題に意見する資格はないのですが、今日なおテレビ等でご活躍なのを見かけるたびに、なんと自虐的・反日的メディアが多いことかと思わされます。