克明な記録こそが未来への価値ある資産

7月18日の朝日新聞読書面で、日本中世史が専門の呉座勇一氏が石井妙子著『女帝 小池百合子』の書評の最後で「職業倫理や専門性を持たないタレント学者や自称歴史家のもっともらしいヨタ話が社会的影響力を持つ様を、評者は何度も目にしてきた。私たちが対峙すべきなのは、表面的な面白さを追いかける風潮そのものなのである。」と書いていました。こうした対峙を高い職業倫理と専門性をもって追究できるジャーナリストがいれば、とことん支援すべきです。写真の著者の仕事は30年近く見守っていますが、私が支援したいジャーナリストのひとりです。著者の仕事は、結局のところ人権が擁護された社会の実現につながり、その社会に暮らす多くの人々の利益にもなると考えます。裁判の記録をたどれば、アレとかソレとかテレビでコメントしている輩どもの無知と無恥ぶりが手に取るように理解できると思います。そうした輩にはとても怖い本かもしれません。