国際水準に達していない日本

国際法の世界で国際水準に達しているかどうかの目安は、国連や加入した条約の条約機関からの勧告状況の数量にあると思います。もともと国連加盟国や条約締約国は決議や条約規定を遵守する義務があります。国際法の枠組みに入っている以上、その遵守状況の審査を受ける義務があり、審査で守られていないと判断された場合は、勧告を受けます。
日本は、現在、国連人権理事会の理事国ですが、以前から同理事会から多数の勧告を受けています。第1回審査(2007年)の勧告数26、第2回審査(2012年)の勧告数174、第3回審査(2017年)の勧告数217となっており、毎回増えています。勧告は、日本が加入している条約の条約機関からも受けています。自由権規約委員会や子どもの権利委員会、女性差別撤廃委員会、人種差別撤廃委員会、拷問禁止委員会のいずれの条約機関からも受けています。なお、障害者権利委員会からは批准時期が遅かったのでまだ審査されていません。このことを知ると、日本にオリンピックを開催する資格があったのか、大いに疑問です。
これらの勧告の中には国内人権機関の創設を求めるものが多数あります。実際、2012年11月、民主党政権は「人権委員会設置法案」を国会に提出することを閣議決定し、国会に提出されましたが、国会審議に入らないまま、同年衆議院解散により廃案となりました。同年12月に政権を奪還した自由民主党は、「民主党の『人権委員会設置法案』に断固反対」を掲げて、国内人権機関設置に関する動きはストップして現在に至っています。法案そのものはパリ原則に沿ったものであり、評価はされていますので、国際水準を率先して満たさないことには他国の人権侵害についても口出ししにくいのではないでしょうか。