後見制度支援信託

成年後見人による被後見人の財産使い込みを防ぐため、被後見人が1000万円以上の預貯金を有する場合は、後見制度支援信託を利用させるよう家庭裁判所は動いています。成年後見制度は平成12年から始まりましたが、この後見制度支援信託は、平成24年から始まりました。利用する場合の信託契約は専門職後見人が締結することになりますので、すでに親族等が後見人に選任されている場合は追加で専門職が選任されます。この信託の意味は、被後見人の通常の生活で必要としない余計な財産を後見人の手元に置かせず、信託銀行に管理させることにあります。信託銀行からの出し入れには、家庭裁判所の指示書が必要なります。平たく言えば、親族だろうが専門職だろうが、手元に大きな財産があるとロクなことにはならないから、後見人の手元から離れた信託銀行に持たせておくということにほかなりません。この仕組みについて知った時に、つくづく国は後見人を信頼していないのだなあとおかしく思いました。それと、普通に暮らしている人にとって信託銀行はなじみが薄い存在かと思います。私も以前株式公開予定企業で勤務していた時に、信託銀行の証券代行部とかかわりがあった程度ぐらいでしたから、こういう縁が出てくるとは思ってもみませんでした。