こころピア&くまもと文学・歴史館訪問記

いずれも会期中の始め頃に2026年熊本地震が起きて一時休館したため、訪ねる機会を逸していた2つの展示会場(どちらも入館無料)へ、8月最後の日曜日、行くことができました。
まず1つめは、玉名市立歴史博物館こころピアの「熊本地震から10年 くまもと戦争遺産被災レスキュー展」(会期:7/22-9/13)。展示会タイトルにある「熊本地震」は2016年発生のそれを指していますが、今回の地震でさらに県内の戦争遺産が失われる恐れがあります。出展者の「くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク」では、「熊本地震戦争遺産支援金」を募っていて、八代市郡築の「コンクリート製軍人像」ほかの3D測量や宇城市・八代市を中心とした戦時資料のレスキュー活動の費用に充てたいと呼びかけています。
https://kumamoto-senseki.net/images/2026/26081801.pdf
展示品の中に、写真の教育勅語額装がありました。書いたのは「学習院教授 小野鐗敬」とあったので、ネットで調べて見たところ、明治時代に活躍した高名な書家である小野鵞堂(本名:小野鐗之助)(1862-1922年)らしいです。「鵞堂流」と呼ばれる独自の仮名書風を確立し、現代の学校教育における習字の手本にも大きな影響を与えた人物であり、華族女学校(現・学習院女子中・高等科)などで30年以上にわたり書道を教えたということです。
同展関連イベントとして8月1日に玉名市文化センターで「長崎被爆体験証言会と紙芝居Ⅱ~日本原爆被害者団体協議会設立70周年記念~」が開催される予定でしたが、当日は地震発災から間もない日程で会場が避難所となったこともあり、11月15日に延期されています(時間と会場は同じ)。
https://kumamoto-senseki.net/images/2026/26081201.pdf
2つめは、くまもと文学・歴史館10周年記念大収蔵品展の「温故知新 文学と歴史でたどるくまもとの記憶2026」(会期:7/17-9/23)です。本展で取り上げられる人物の時代は江戸時代から明治・大正・昭和・平成まで、分野は文学者に限らず、藩主・教育者・思想家などさまざまです。明治憲法や教育勅語を起草した井上毅も紹介されていました。井上の熊本時代の師匠は、木下韡村(1805-67年)です。もともとは農家に生まれましたが聡明なため22歳のとき苗字帯刀を許された人物です。弟の助之の孫が劇作家の木下順二です。次男の広次は、井上の義弟(韡村の長女が井上の後妻)にして、京都帝国大学初代総長であり、嘉納治五郎の媒酌人を務めています。
https://www2.library.pref.kumamoto.jp/bunreki/cat3/cat1
こちらも関連イベントとして9月12日に佐藤信館長講演会「海外に開かれた熊本の歴史」が開かれるので参加申し込みを行いました。
https://www2.library.pref.kumamoto.jp/blogs/blog_entries/view/1945/7674ffc593d84ad90631799d278ebaf5?frame_id=2144