九州国立博物館の観覧ついでに足を延ばして福岡市美術館で開催中の米NY市のブルックリン博物館所蔵特別展「古代エジプト」も観てきました。この日は平日の午後、雨天ということもあって美術館近くの大濠公園は人もまばらでした。代わりに公園内の池では鳥たちがのんびり羽を休めて漂っていましたが、なかには池の周囲のランニング(あるいはウォーキング?)コースを散歩するカモもいて、人なれしているのか近づいてくる変わったのもいました。
さて、その「古代エジプト」ですが、王そのものよりもその周辺の人の暮らしにまつわる情報や出土品の展示が新鮮でした。会場に入ってすぐにあったのが、古代エジプトにおける人気No.1の仕事「書記」についての解説や関連の展示物でした。古代エジプトの「書記」とは、神の言葉である文字を操る役職であり、神官であり官僚でもあるということでした。筆記に際しては葦ペンを使います。読み書きの知識の力があるということは、かなり高い評価を受けていたそうです。書記は婚姻や不動産取引の契約書も書いていたそうですから、現代の日本に当てはめると、行政書士みたいなものだったと、強引に一人合点していました。
海外の収蔵品を日本へ運び込んでの展示となるので、数量は150点近くありましたが全般的に小粒感は否めません。それなら現地へ行けよという話になりますが、特別展観覧料2000円で館内別会場の常設展や企画展まで含めて見て回ると、相応もしくはお得な価格とも言えるなと思いました。特に同館1階の古美術企画展示室内で開催されていた「魅惑のインドネシア染織」は、島ごとに異なる模様や色合いが興味深く、一国におけるファッションにこれほどの多様性があることが驚きでした。ジャワ島だけかつて一度訪問した経験があるせいか、やはりそこの染織品が気に入りました。