「平戸モノ語り」観覧メモ

平日の午前でしかも雨天なら人がいくらか少ないだろうという読みで、太宰府市にある九州国立博物館で開催中の特別展「平戸モノ語り 松浦静山と熈の情熱」を観覧してきました。予想通り館内は割と空いていてじっくり見ることができましたが、梅が開花中の太宰府天満宮および参道は海外からの観光客や修学旅行生の団体がそれなりにいて賑わっていました。
ところで、特別展の主役は、江戸時代の平戸藩主であった九代の清(号は静山)と十代の熈(ひろむ)の親子(なお、氏の「松浦」は、「まつうら」ではなくて「まつら」と読みます)。父の清は肖像に描かれるのが嫌いなのですが、息子の熈は肖像画に描かれるのが好きで自分が気に入るまで何度も描き直しをさせるなど、性格は異なる面がありましたが、共に今でいう「学芸員」の資質・気質に恵まれた人物のように受け止めました。父の清は無類のコレクターであり、日記大好きの記録魔であるのに対し、息子の熈は史料の保存・修復に重きを置いた分類整理魔といったところでしょうか。藩主であったがためにそれなりに資力があり、江戸など都市の空気を吸い、各地の文化人との交流もあり、国元である平戸という根っこもありました。こういう稀有な環境にあった親子のおかげで貴重な品々が遺され、昨年10月に開館70周年を迎えた松浦史料博物館のお宝となっているわけです。
それと、常設展示室の一角で組まれていた、開館20周年記念特集展示「豊臣秀吉とアジアの外交」も特別展と並ぶかそれ以上の見ごたえある品々がそろっていて豪華でした。秀吉治世時代の外交における文書改ざん事件や諜報戦の一端がうかがえるものもあり、ゾクゾクさせられました。