#先端研クロストーク #戦争と交渉の経済学 #渡来人とは誰か #3か月でマスターする古代文明 #岡本太郎
2025年11月28日開催の第20回先端研クロストーク第1部「Why war? ひとはなぜ戦争をするのか?」をオンライン受講しました。以下は、受講メモです。聴きながら脳裏に浮かんだ情報(それらはトークでは触れられたものではありません)も記しています。研究分野や世代、育った文化環境がそれぞれ違う登壇者間の対話自体がすごく刺激的で、たいへん実り多いトークイベントでした。
「ひとはなぜ戦争をするのか?」という根源的な問いについて、主催者の先端研はこれまでに何度もそれを考えるイベント「高野山会議」を行っています。今年8月16日の朝日新聞社説欄でも取り上げられていますし、「高野山会議」のアーカイブ配信を私自身視聴したこともあります。
この「なぜ戦争をするのか」という問いは、「どうしたら戦争を起こさせずに済むのか(非戦)」、「どうしたら戦争を止めさせられるか(終結)」、「世界は一つになれるのか」、「世界政府をつくることはできるのか」という問いにもつながってきています。1932年の、フロイトとアインシュタインの往復書簡対話におけるテーマでもありました。
答えやヒントとなるものが、いくつかありました。
まず、「グローバルリズム」と「ナショナリズム」との間に位置する「インターナショナリズム」です。もっとも、歴史的に見ると、インターナショナリズムの考えは共産主義を標榜する国家の出発点にあったはずですが、それらの国家は権威主義体制へ変質しましたし、民主主義体制をとった国家からも権威主義体制へと転落し、戦争を始めた例を見てきています。したがって、口先だけで唱えればいいというものではありません。
次に、航空ネットワークの研究者から、欧米の路線は「メッシュ型」なのに対して、アジアでは「ハブ型」であることが紹介されました。米国のような多民族国家では他国に親類が住んでいて往来が多く、その交流の度合いの多さが国の強さ、国益でもあります。現政権下の米国はそれをわざわざ捨てる方向へ行っているようです。
そうした経済合理性の重視が非戦の選択にもなり、政治外交でどのような行動をとるべきかということになりますが、たとえばアートを通じた対話には、言語や宗教、民族を超える影響力がありますから、多様なチャンネルを閉ざさないことが重要だと思いました。トークでは、長崎の原爆被災者の子孫と原爆を投下した米軍爆撃機搭乗員の子孫同士との交流についても紹介されていました。
思い出した知識・経験など。
・台湾有事発言後に長崎の中国人墓地を日中共同で清掃活動するニュースがありました。長崎の総領事が冷静な挨拶を行っていました。
・渡来人が倭にさまざまな文化をもたらしたことが脳裏に浮かびました。
・イースター島のモアイの巨石文化のルーツは1万5000km先の台湾にあるのが通説なんだそうです。NHK「3か月でマスターする古代文明 第9回オセアニア海を渡った人類と謎の巨石」より。他にも同様の石文化があるミクロネシア、メラネシア、ポリネシアは、台湾の先住民が起源と考えられるオーストロネシア語族といいます。たとえば、数字の「5」は、「リマ」で共通。
・28年前に上海へ旅行したとき高層ビル建設現場で竹材の足場が組まれ命綱なしの作業員が働いているのを見て驚きました。先日の香港の火災のニュースでそれを思い起こしました。台湾先住民の巨石文化に対して大陸の竹利用というのが興味深いです。
・岡本太郎は、戦前、パリ大学で人類学者のマルセル・モース(暴力革命を否定してロシア革命の国際主義を批判)に学び、オセアニアの民族学にも明るかったのではないかと思います。反戦や民族差別反対の信念は一貫しています。