山種美術館 https://www.yamatane-museum.jp/
特別展「日本画聖地巡礼2025―速水御舟、東山魁夷から山口晃まで―」
同館は恵比寿駅から徒歩で向かうとなると、次第に上り坂となり10分超かかります。駅前から日赤医療センター前行の都バスが頻繁に出ていて、これを利用すると、広尾高校前下車すぐの立地なので便利です。訪ねたときの往復とも美術館利用者がかなり乗車していました。館内も人が多く、すみだ北斎美術館と同様、海外からと思われる来館者の多さが目立ちました。
今回訪問の最大の動機は、同館が所蔵することとなった、山口晃の作品「東京圏1・0・4輪の段」との1年ぶりの再会を果たしたいからでした。前回は昨夏、佐賀県立美術館で開かれていた「ジパング 平成を駆け抜けた現代アーティストたち」で出合っています。この作品は、金栗四三が主人公となったNHK大河ドラマ「いだてん」のタイトルバック画として採用されたことでも有名です。ただし、山種に展示された作品は本年も手を入れた作品で、絵の中の東京の街中を走る四三たち人物は描かれていません。佐賀での展示ではガラス越しだった一方、山種では直に鑑賞ができました。そのため写真撮影は不可でしたので、特別展図録を買い求めました。
山口晃の活動が興味深い点は、こうした日本画制作のみならず、緩めの風合いのイラスト制作やエッセイ執筆もあります。館内のショップには、『すゞしろ日記』や再新著『ヒゲのガハク ごはん帖』(集英社)も販売されていました。後者は夫婦合作エッセイとなっていて、画が山口晃、文筆は妻の梅村由美によるものです。
特別展出品作のほとんどが東山魁夷や奥村土牛、平山郁夫など誰もが知る巨匠たちの中にあって、現役の山口晃の作品がそれに伍して輝くを放っているのを見ると、なぜかしら小気味いいものです。