書店めぐり

1週間ほど都内へアクセス至便な場所に滞在する機会があったので、かねてから興味のあった書店を訪ねてみました。そのうちの3カ所について記してみます。いずれも特化した分野で突出した品ぞろえと、それらに関心をもつ人びとが集えるイベント企画とスペースがあれば、文化サロンとしての書店経営が成り立つのだなと感じました。まともな書店がない文化的に貧しい地域に住む身からすると羨ましい限りです。これからも機会があれば訪ねてみたいと感じました。

■宇野書店(最寄り駅:大塚駅)
2025年8月にオープンした宇野常寛さんプロデュースの書店です。東邦レオ東京支社ビル2Fに店舗が入っています。入口では靴を脱ぐようになっています。店内は無人で、会計は完全にキャッスレス対応でした。ちゃんと監視カメラが備わっています。宇野さんの著書はほとんど置いてあります。その宇野さんがなんと石破茂(訪問時はまだ首相)との対談本を2012年に出版していたとは知りませんでした。その他、取り扱っている本の分野としては、社会思想・批評系が多いという印象を受けました。店内に試し読みするソファーが窓側一面にあり、静かにゆっくり過ごせる工夫がなされていました。ときおり店内でイベントが開催されているので、参加すれば交流機会があるかもしれません。
https://x.com/unoshoten_

■単向街書店(最寄り駅:京橋駅)
この店舗の存在は、舛友雄大さんの『潤日』で知りました。日本に在留する中国の知識人が利用する、アジア関連書籍を取り扱う書店です。オープンしたのは2023年8月です。中国語原書が多いですが、大陸で出版された書籍だけでなく、台湾で出版された書籍も扱われているようです。私は中国語の素養がないので2025年10月に「ちくま新書」から出版されたばかりの、是川夕『ニッポンの移民――増え続ける外国人とどう向き合うか』を購入してみました。こちらも宇野書店と同様、さまざまな人物を招いてイベントが開催されています。カフェスペースもあります。
https://one-way-street.com/ja/

■SOLIDA(最寄り駅:神保町)
神保町界隈にフランス文学者の鹿島茂さんがプロデュースした共同書店が4店舗ありますが、訪ねてみたのは2024年3月にオープンした3号店です。共同書店というのは、店内にある一つひとつの書棚ごとにそれを借り受けた店主がいて、店主ごとにこだわりの本を販売していますので、1カ所でSOLIDAの場合、600棚(店舗)をめぐることができます。販売されているのは新刊本に限らず古書や一部雑貨もあります。売上ごとに販売手数料もかかりますが、古書販売の場合は棚主には古物商免許はいらないそうです。ここも当然のことながら鹿島さんの著作が多く取り扱われていました。いろいろフェアも開いているようで、訪ねたときは荒俣宏特集があっていました。しかも、訪れた当日、鹿島さん自身が配架作業を行っているのを目にしました。
https://passage.allreviews.jp/

※おまけ 神田古書店街の「矢口書店」の屋外に書架がある風景がSNS映えするせいか、海外からの観光客と思われる人たちが、盛んに写真撮影していました。この向いにある「文華堂書店」は、軍事関係専門の古書店で、戦史料を探す際には重宝します。