「ASIAN POP」観覧メモ

福岡アジア美術館の開館25周年記念コレクション展「アジアン・ポップ」の会場は、福岡市地下鉄・中洲川端駅6番出口からすぐに行けて、しかも観覧料は200円と常設展並みの低価格なので、スキマ時間に気軽に訪ねやすい場所と機会だと感じました。来場者も年齢的に若い世代が多く、海外からの観光客と思われる層も見受けられました。訪ねた日は佐賀市から福岡市へ向かったせいもあって、街中を行き交う人の多さを見ると、福岡市は九州では際立つ大都会だと改めて思いました。
さて、展示されている作品についてですが、南アジアのそれ(例:パキスタンのトラック塗装)は華々しい色彩のものが多く、アートというよりPOPそのもの商業広告らしい熱量の高さを感じました。一方で、偶像崇拝を禁じていない権威主義国家では権力者の大きな肖像が街中で掲げられるなど、政治的プロパガンダ要素が高い作品(?)が幅を効かせる点もあり、そうした環境下で表現者が自由に活動可能なのかという側面もあります。一口にアジアといっても政治や宗教、歴史的経緯はそれぞれ異なるので、そのあたりを合わせて理解しながら作品を鑑賞してみるとおもしろいと思いました。
最近、熊本でもさまざまな業種の経営者肖像写真入りの屋外広告を数多く見かけるようになりましたが、かつて全国展開の某ホテルの女性経営者の巨大顔写真を彷彿とさせるセンスが悪いプロパガンダに近く、かえって広告主のうさん臭さを覚えてしまいます。ついつい余計な連想をしてしまいました。