8月7日、「2024年夏の街かど戦時資料展」が開かれている街角サロン「馬空」を1年ぶりに訪ねて、展示品を提供されている高谷和生さんにこれも1年ぶりにお会いし、楽しい時間を過ごすことができました。
私は、高谷さんたちが構想されている「くまもと戦争と平和のミュージアム」の設立実現を切に望んでいます。
高谷さんにも紹介させていただきましたが、7月に岩波新書から刊行された、梯久美子著『戦争ミュージアム』を最近読みました。同書で感じたのは、戦争体験者が減ってきていますので、「戦争を伝える物の展示」と「展示物がもつ意味を解説できる学芸員の存在」の重要性です。そうした機能を有するのが、まさに戦争と平和のミュージアムであり、まだそれがない熊本にぜひとも必要だと考えています。
高谷さんによれば、10月13日(日)に、隈庄飛行場や松橋空襲の戦争遺産を巡るツアーを計画されているということでしたので、そちらも参加したいと思います。
『戦争ミュージアム』では、14館のミュージアムを取り上げていますが、そのうちの一つに長野県上田市にある「戦没画学生慰霊美術館 無言館」(1997年開館)があります。そして、同館に展示されている佐久間修さんの絵や手紙のことが紹介されています。東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校の油画科を出て熊本県立宇土中学校教諭となった佐久間さんは、生徒を引率した勤労動員先の第21海軍航空廠(現在の長崎県大村市)で、B29の直撃弾を受け、妻と2人の子どもを残し、29歳の若さで亡くなっています。展示されている油彩画とデッサンはいずれも妻の静子さんを描いたものであり、静子さんが戦後50年間、自宅に飾っていたものが同館へ託されたのだそうです。