昨日、地元首長が理事長の社会福祉法人の評議員会へ出席しました。この日の議案の1号と2号は、同法人の一つの事業を3月末で廃止することと、それに伴う定款の一部改正となっていました。議案書に書かれた廃止の提案理由は、「入所者減少に伴い、養護老人ホームと統合し経営の安定化を図るため。」といたって簡潔なものでした。議事においてもっと詳しい説明があるかなと期待しましたが、法人側からの発言は議案書の記載通りで終わり、質疑応答に入りました。
そこで、さっそく現在の入所者の処遇や廃止事業が対象としてきた入所者の新規募集の行方について質問を行いました。結果、現在の入所者全員を継続する事業で受け入れるという回答を得ました。継続事業では入所対象には本来ならない利用者も全体の20%以下なら特例で養護契約入所ができるということと、その範囲内で特例の新規入所も行われることも確認できました。
これが、株式会社の株主総会であれば、株主の議決権行使の参考書類として、事業廃止に伴う財務的影響のみならず顧客対応や社員雇用への影響について詳細な説明が行われるのが常識です。対外的なイメージ悪化がないのかについても株主へ理解を求める説明がつくされるのが常識です。
今回の社会福祉法人の評議員会は、まさに株主総会に相当する最高議決機関です。さらにいえば、評議員会へ上程する前には理事会審議が行われます。株式会社に例えると、業務執行責任者である取締役会がそれにあたります。理事会メンバーには首長や福祉部署の部長、厚生関係の委員を務める議員らが入っているわけですが、果たして理事会では廃止に伴う入所者や職員に対する影響を問う質問はなかったのか気になりましたし、冒頭に記したような提案理由の議案書を評議員会へ出すことに誰も異論を唱えなかったのかと疑問に思いました。
最近、ロアッソ熊本のホームゲーム当日の光の森駅-スタジアム間のシャトルバスが今季から前日正午までの予約申込制となり、乗車の使い勝手が非常に悪くなりました。これも利用者目線を完全に忘れた愚策極まりないもので、クラブの事業才覚の欠如を示す出来事でした。
本日あたりは株価が34年ぶりに最高値を更新したとメディアが浮かれていますが、これなんかもそれぞれのドルレート換算で出したら、まだ更新とはいえないわけで、目先の文字数字だけ見て実を見ないで過ごすバカがなんと多いものかと気が滅入るばかりです。
写真はニューヨーク証券取引所。2000年5月撮影。