サガしものは書店になイカ

先月1週間ほど佐賀県有田町に用向きがあったのですが、観光的な行動ができる時間がなかったため、なんとも物足りないままでいました。さらに今月、朝日新聞の経済面で5回にわたり有田町に近い波佐見町のことを取り上げた連載「波佐見焼 小さな町の奇跡」を読み、ぜひ訪ねてみたい気持ちになりました。波佐見町についてはコースをもっとリサーチしてからと、手始めに以下の場所を訪ねてみました。
・鯨組主中尾家屋敷・・・イカを焼く香ばしさが漂う呼子朝市通りの入口から300m奥にある重要文化財です。江戸時代から昭和30年代までの時期に呼子が捕鯨漁の港であることは、現在は呼子=イカのイメージが強いこともあり、これまで知りませんでした。屋敷も立派ですし、資料館の展示もたいへん興味深いものがたくさんあり、入館料210円が申し訳ないくらいお得でした。
・佐賀県立名護屋城博物館・名護屋城跡・・・佐賀県立の博物館はここ以外に九州陶磁文化館や県立博物館・県立美術館がありますが、一部の特別展を除き入館料が無料となっています。ロンドンの大英博物館もそうですが、こうした運営方法は誇るべきことだと思います。入館してみると、日に何回か学芸員による説明が聞けるようでした。展示コーナーごとの自由に持ち帰りができる解説ペーパーも充実していて帰宅後もゆっくり読み返すことができます。城跡も初めての訪問でしたが、スケールが大きく特別史跡にふさわしい場所でした。訪問当日は強風のため、天守台がのぞむ冬の玄界灘には厳しさがありましたが、天候が良ければ文字通り海外進出を目論んだ秀吉の野心が途方もないことがより感じられたかもしれません。博物館入口には道の駅があって、そこのレストランで名物のイカ刺身定食をいただきました。イカ活きづくり、イカシュウマイ、ゲソ天ぷらに満足しました。
・佐賀之書店・・・帰路の途中で佐賀駅に今月オープンした書店ものぞいてみました。ここは佐賀出身の直木賞作家がオーナーを務める店舗で、オーナーの著作が多数置かれていました。書棚は新刊書で埋め尽くされ、新札を思わせる香りがいい雰囲気を出していました。ただし、駅ビルの一角ということもあって、店舗面積はそれほど広くはなく、専門書のたぐいはほとんどありません。総合雑誌もウィルとかハナダといった怪しい書き手のものしか見当たりませんでした。世界や岩波新書は皆無でした。駅内書店ですからこれは致し方ないのが現実なのかと思いましたし、実際私の日頃の行動でも目当ての書物がほとんど置かれてない地方書店に行くことはありません。