先日読了した斎藤淳子著の『シン・中国人』のp.179に、中国の軍や重要な政治部門の党員が結婚を希望するときに組織へ提出しなければならない「結婚申請書」のひな型が紹介されていました。たいへん興味深い内容ですので以下に示してみます。
「私は誰々で、XXと結婚を希望しています。XXは政治上、思想上安定しており、国を愛しており、党員でもあります。私はXXと何月何日に知り合い恋愛関係を構築し、相互に理解、信頼し感情の基礎は強固です。恋愛は長期にわたり思想は成熟しています。相互の協議を経て、家族の支持も得てXXと結婚を希望します。組織の批准をここに願います」。
公権力がプライベートな空間に入り込むことには違和感を覚えるしかないのですが、日本においても嗤ってはいられません。最近、結婚や出産をした人の奨学金返済は減免するという極めて異様な少子化対策の論議も出ています。少子化対策とは、すべての子どもに対する福祉や教育の支援に向けられるべきです。結婚や出産を条件に据えられれば、個人ごとに受けられる支援に格差が生じる結果になります。こんな不公正な子ども政策しか語れない政治はNGです。