おとり広告を見破る

最近はテレビで見かけることが少なくなったアベ友の政治評論家にある回転すし大手の屋号が冠せられていましたが、その名のすし店チェーンの9割の店舗でウニの在庫がないにもかかわらず、ウニを前面に出したテレビCMを放映していたそうです。そのため、公正取引委員会から「おとり広告」だとして措置命令が出されたことがニュースになっていました。このようにモノを売るビジネスでは、おとり広告にあたるかそうでないかが分かりやすいと思いますが、私たちのように士業だと、提供するのは依頼内容の成果ですから、消費者からすると広告主の実力が分かりにくいかもしれません。たとえば、事務所ホームページで「ナンバーワン」などと最高表記を強調している例がありますが、テレビCMや新聞広告でその表記を使用する際には公的な根拠情報の併記が求められます。士業の場合、実際にそうした根拠情報を示すのは困難であり、事実上、ネット上の「ナンバーワン」表記は虚偽もしくは真正を証明できないものと判断して差し支えないと思います。たとえば、私が所属する団体では業務分野別に取扱件数総数が毎年公表されています。ある業務分野における自事務所の取扱件数が団体全体のそれの過半数であれば、「ナンバーワン」の可能性はありますが、団体が公表する件数が全所属会員から回答があったわけではないので、根拠として使えるかという問題もあります。したがって、士業の事務所ホームページにおいて「ナンバーワン」表記が確認できた場合、それは「おとり広告」といえますし、景品表示法等の広告関連法令の知識がないレベルともいえます。
写真は台湾の士林夜市から。