50年前に沖縄が本土復帰したのは大半の日本国民にとって歴史上の遠い出来事となりつつあると思います。しかし、当時を知る一人として象徴的な光景は、当日の朝のNHKの報道番組「スタジオ102」においてそれまでの自動車の右側通行が一斉に左側通行へ切り替わる模様の生中継放送でした。もちろん通貨がドルから円へとか切手が琉球政府発行から郵政省発行へ変わる出来事があったのは知っていますが、本土に居ながらにして一瞬にして歴史が変わるのを実感できたという点では、これほど分かりやすい場面はなかったと思います。私の場合、太陽が南を回るか北を回るか、エスカレーター上で右側に立つか左側に立つかで、土地に対する違いを大きく感じます。エスカレーターでいえば、ヨーロッパ圏では右側に立ちます。モスクワの地下鉄を利用したことがありますが、駅が日本と比べると相当地下深いところにあり、エスカレーターがやたら長いという覚えがあります。登りの右側に立っていると、軍服姿の男性たちが左側を駆け上がっていく姿をよく見かけました。写真はクレムリン広場。