野蛮人の歴史を知る

またしても『ヨーロッパ覇権以前』の記述についての投稿となります。「第4章 ジェノヴァとヴェネツィアの海洋商人たち」で描かれる約1000年足らず前のヨーロッパ人の野蛮人ぶりが凄まじく、人道も何もない時代があったことを知ります。おそらく現代の当事国の歴史教科書には載っていない出来事だと思います。たとえば、11世紀末に十字軍のヨーロッパ人たち(ムスリム側の書物ではフランク人)がイスラム文化の地を破壊したのちに異教徒の人肉や犬肉を食べる行為があったことが紹介されています。こうした「特別軍事作戦」には市民殺害や略奪を伴うことは言うまでもないことです。もっとも、こののちには東から別の野蛮人であるモンゴル人が登場するので、ヨーロッパ人だけが野蛮人ではなかったこともよく知られていることです。
イタリアが海洋国家として繁栄を極めた時代の輸送コスト比較でいえば、陸上輸送は海上輸送の20倍だったという考察があり、さまざまな商品を運び莫大な富を得ます。その商品の中にはコーカサスから積み込む奴隷の存在もありました。一方、イタリアが衰退した背景にはガレー船に紛れ込んだネズミを介した黒死病の流行もあります。こうして見るとまさに歴史は繰り返すので、たとえ祖先が野蛮人であっても歴史は直視する必要があると感じます。
写真は、パリのロダン美術館(1991年12月撮影)。