暁の宇品

先日、堀川惠子著の『暁の宇品』(講談社、1900円+税、2021年)を一気読みしました。陸軍船舶司令官の足跡を描いたものですが、旧日本軍の組織体質のみならず現代の経済安全保障について大いに考えさせられる著作でした。戦没した母方の祖父は商船会社の社員でしたが、陸軍軍属として海上輸送の任にあたっていましたので、身近に感じるところもありました。戦没率でいえば、陸海軍の軍人よりも民間人である船員の方が高かったという情報にも触れることができました。