このところ知中の研究者の見方に努めて接するようにしています。武力だけを見て武力にだけに頼った一面的な見方では向き合い方を誤ると考えるからです。中国(大陸)の中にあっては分からないこと、発言できないこと、拡散できないことがたくさんあり、無理やり台湾との統一を図るよりも、台湾の存在が生む大陸側にとっての実益もあったりして、ことはあまり単純ではないように思います。写真の本(橋爪大三郎・中田考『中国共産党帝国とウイグル』集英社新書、880円+税、2021年)で感じたのは、中国を知る専門家がまだまだ日本において少ないことでした。同様にイスラム世界についてもまだ知らないことが多く、日本だからこそ動ける場がもっとあるような気がします。