3期9年にわたって務めていた、宇土市農業委員会の農地利用最適化推進委員を、2026年7月19日でもって退任することとしました。もともと権腐十年あるいは(細川護熙元熊本県知事が引き際に発言したように)権不十年とも言いますが、一つの公職に長期に留まることは、自分にとっても他人にとっても地域にとってもロクなことはないと考えていたからです。幸い私が続けなくとも、その任にふさわしい後任の方が出てこられたので、安堵しています。
この10年近くを振り返ってみると、私が居住する行政区の農業従事者の半数近くが高齢のため亡くなったり、引退したりしているうえに、後継者がいないのがほとんどで、担い手が激減しています。そのため、耕作されない農地が増える一方で、農地の集積集約化も進まない状況が続いています。気候変動による作物の生育収量の変化や資材の値上がりもあり、ビジネスとしての魅力も薄いものになっています。加えて将来は人口減少が確実でもあるにもかかわらず、空き家を残したまま農地を宅地開発したり商工事業施設・ヤード開発したりして、内水氾濫の危険性が高まる増災化の道を辿っています。虫食い的な開発はさまざまなインフラ設備の距離も増やしますから、将来行政が負担するインフラ維持コストは重くなる一方です。
このように、地元の将来はたいへん暗いと考えています。それが、農業委員会にかかわると手に取るように見えてくるのですが、委員にそれを止める権限は残念ながらありません。首長や議員になんらかの見識があるといいのですが、その発言内容に接する限りでは、考えが足りなさそうです。
農業振興はすなわち安全保障という考えが国にも地方にも不思議なほどに希薄です。