2年後の夏の完成を目指し、熊本県護国神社内に東京の靖国神社遊就館の熊本版資料館建設の動きが進んでいます。9月25日の地元紙には、その建設費の寄付を募る広告が掲載されていました。その広告には60名弱の発起人の名前が載っていて興味深く見ました。顔ぶれから察するに、第一は当人がその信念から80年前の戦争を侵略戦争とは考えていない方々と、第二は県内の主要企業団体等のトップとかで付き合いで名前を出している方々と思われました。
前者は日頃から日本会議や元統一教会の活動歴でその名に覚えがある方々です。相も変わらずだなあと、思うだけです。始末に悪いのは、後者の方々です。日頃立派なことを言っていても、80年前の戦争で多大な苦痛を強いられた国・地域の記憶を逆なでする歴史観に立つと見なされることに思いが至らないのかなと、不思議でなりません。当人が思慮に欠けるのか、当人の取り巻きがそうなのか分かりませんが、これは信用ならない手合いだなと感じます。
9月30日の全国紙熊本版に県内の私大の理事長が、水俣病の教訓を講義したと好意的に書いてありました。しかし、この人物は、一方で戦争における兵士の行動を賛美し、国策の誤りを直視せずにひたすら愛国・国威発揚に邁進する資料館建設の音頭取りに名を連ねています。この両立がなぜ可能なのか、ちょっと理解するのが困難でした。