NHKのEテレで本日再放送された「木村多江の、いまさらですが… 学徒出陣~無言館 画学生が描いた青春~」を視聴しました。長野県上田市にある「戦没画学生慰霊美術館 無言館」については、まだ訪ねてみたことはない美術館ですが、同館には東京美術学校の油画科を出て熊本県立宇土中学校教諭となった佐久間修の作品(油彩画「静子像」、素描「裸婦」、妻と二児宛の絵入りの葉書)などが収蔵展示されていることもあって以前から気になる場所です。佐久間教諭は、1944年10月25日、生徒を引率した勤労動員先の長崎・大村の第二一海軍航空廠で、中国・成都から出撃した米軍爆撃機B29の直撃弾を受け29歳で亡くなっています(先日手元に届いた宇土高校同窓会報で私より1学年上の同窓会事務局長が校内の慰霊塔に関連してこのことを知らないと書いていてショックでした→すぐさま指摘しました)。
番組では、タイトルにある通り学徒出陣した戦没画学生の人となりや作品紹介が中心でしたので、佐久間作品の紹介はありませんでしたが、絵を描き続ける夢を若くして断たれてしまい、物が言えない戦没者であることには変わりありません。一方、番組では、同館の収蔵作品にはありませんが、戦意高揚に協力した藤田嗣治とその作品(アッツ島玉砕)を紹介していました。
美術というと、文字通り美しいものの追求に主眼があって、戦争とは対極にあるイメージが一般には強いと思いますが、近代日本においては陸軍士官学校で西洋画技法の教育が盛んであったように、意外と軍事とは密接な部分があります。現地偵察や地形図から写景(視図)をすぐ描けることは、将校や軍事スパイに必須の資質でした。将校の戦争回想でスケッチが添えられている例は多いように感じます。
話がすっかり逸れてしまいました。なかなか「無言館」へ行くのは、難しいので、このようにテレビで紹介してもらえるのはありがたいです。前の投稿で、東京国立近代美術館で開催中の「コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記憶をつむぐ」の展覧会を訪ねてみたいと書きました。これに加えて川崎市岡本太郎美術館で開催中の「戦後80年 《明日の神話》 次世代につなぐ 原爆×芸術」展も見どころが多い印象を受けます。こちらは、広島市の高校生たちと被爆者がペアになって描いた作品と現代作家9組および岡本太郎の作品が展示されています。ぜひ行ってみたいと思っています。
https://www.nhk.jp/p/ts/4J9V6VZY6M/
https://www.momat.go.jp/exhibitions/563
https://www.taromuseum.jp/event/%e3%80%8c%e6%88%a6%e5%be%8c80%e5%b9%b4-%e3%80%8a%e6%98%8e%e6%97%a5%e3%81%ae%e7%a5%9e%e8%a9%b1%e3%80%8b-%e6%ac%a1%e4%b8%96%e4%bb%a3%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%aa%e3%81%90-%e5%8e%9f%e7%88%86x%e8%8a%b8