日別アーカイブ: 2025年5月13日

日本が潤うという理解のされ方もあるのでは

「増える中国人の“日本移住” なぜ日本が選ばれる?」と題した、昨夜放送のNHK「クローズアップ現代」をついつい視聴しました。番組では、受験競争が厳しい中国の教育環境を避けて子どもに日本の教育を受けさせたいと願う中国の富裕層が、「経営・管理」の在留資格を得て来日移住する傾向を重点的に取り上げていました。中国における大学入試は確かに過酷で難関大学の学費も日本のそれより高いですし、中国では認められない不動産の私的所有も可能で低コストの住みよい現状からすれば、そうした選択へ走る(run)のは納得できます。
この番組では取り上げられていませんでしたが、ちょうど1年前あたりから、中国から日本へ経営や高度人材職就労の在留資格を得て移住する「潤」という言葉に触れた報道を見かけるようになりました。「潤」の中国語の発音のローマ字表記は「run」であり、これは「(生活が)潤う」とともに「(国外に)逃げる」という意味に重なるといいます。
こうした「潤」と呼ばれる行動をとる人の中には、権威主義体制下の人権抑圧から逃れたいという思いをもった知識人もいます。
このあたりの事情を幅広く取材した舛友雄大著の『潤日(ルンリィー) 日本へ大脱出する中国人富裕層を追う』という書籍が今年、東洋経済新報社から出ていて、私も先日読んでみましたが、中国国内の体制に疑問を持つ富裕層や知識人の考え方や文化習慣を理解する助けになり有益です。生活自立した中国の中間層の移住は、同書のタイトルにもある通り、日本の国益になる効果が高く、日本が潤うことになる面が確実にあります。当然のことながら納税・保険料納付への貢献もあります。移住する側、受け入れる側双方にとってプラスの道を模索するべきだと思います。
特にこれから高齢となる就職氷河期世代の日本人は、このままでは先細りする現役世代に食わせてもらう立場ですから、なおのこと潤日歓迎であるべきではないかと思います。
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/episode/te/B3LRKVJ872/
https://toyokeizai.net/list/video/WCgKzSDwhas