本日読了。
本書p.134-135に、ルメイが指揮した東京大空襲に加わった爆撃機搭乗員による次の回想が載っています。「上昇気流は気持ちの悪くなるにおいを一緒にもたらした。鼻について離れないにおいだった――焼かれた人間の肉のにおいだ。あとになって、乗組員たちのなかにはこのにおいのために息を詰まらせたり、吐いたりした者がいたという話を聴いた。気絶した者もいたらしい」。
ルメイ自身はいかに合理的に作戦を進めるかの一点に徹底し、下界で生きたまま火あぶりにされる人間を想像することはなかったようです。味方の損失をできるだけ少なくし、いかに敵を効率的に破壊するかだけを究めて、軍人の頂点に立つ人生を送りました。こういう軍人を重宝する面が軍隊の性分としてあることを忘れてはならないと思います。
メモ:初版p.262の11行目 (誤)陸相→(正)陸将