昨日(4月5日)の地元紙面に載っていた、TSMC工場量産開始後のPFAS上昇についての熊本県知事の定例記者会見での発言が、ずいぶんとのんきなものではっきり言って残念でした。口では、「専門家の意見を踏まえて対応する」と述べていますが、その中身が判然としません。
この知事の会見より前の3月26日に開かれた、熊本県環境モニタリング委員会において委員長は「(PFASを)少しでも減らす努力をすることが大事だ」「十分すぎるぐらい下げるのが良い」「何らかの企業努力を促すよう行政が求めていくべき」などと述べたとされます。
ところが、会見での知事は、委員会で出た「(PFBSやPFBAは)毒性が低い」「諸外国の飲料水目標値と比較しても低い」という見解だけをつまみ食いする形で、これが「専門家」の評価の大勢という印象操作を行い、TSMCへ物申すという姿勢はまったく見せていないようです。
PFASによる健康被害は、日本人だろうが台湾人だろうがTSMC関係者だろうがそうでなかろうが人を選びません。今回これまで未検出だった物質も出てきたわけで、TSMC操業開始との因果関係は濃厚だと思います。第3工場進出までは音沙汰なしというのではあまりにもだらしないと思います。コチョウラン回収で見せたような素早いフットワークを期待しています。
