日別アーカイブ: 2025年2月1日

『東アジア現代史』感想メール

家近亮子著『東アジア現代史』(ちくま新書、1400円+税、2025年)を先日、春節祭期間中でにぎわう長崎へ向かう電車中で読みました。内容は満足しましたが、最近は伝統ある出版社(ここ1カ月でも白水社や岩波書店)の著作物でも文中に誤記を発見することがたびたびあります。著者が出すデジタル原稿をどんなやり方で校正しているのかと、活字印刷時代から読書に親しんだ昔の青年は考えます。そんなわけで、おせっかいだと承知しつつ、下記のメールを出してみました。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480076670/?fbclid=IwY2xjawIKkFRleHRuA2FlbQIxMQABHYNPThcn2SF14-RjEKN3se0amcNSu-qeD09VTeXul_a5el_p95ja2us0gA_aem_AH9vh1fEyDYKXsZJq-UKYw

放送大学テキストの『現代東アジアの政治と社会』と、そのラジオ講義聴講で、家近先生の研究テーマに馴染みを覚えていましたので、さっそく読ませていただきました。東アジアのみならず、米国やソ連、英国との関係やそれらの指導者の考えにも触れてあり、一層理解が進みました。慶応出身者でありながら福沢諭吉に対する評価も率直で、その点も学者として信頼できました。
p.341の4行目とp.364の3行目の2か所で、いずれも「副総統」とあるべきところが、「福総統」との誤字表記となっていました。

【追記】
2月1日の朝日新聞読書面で、これから読む予定の吉田裕著『続・日本軍兵士』(中公新書)とともに紹介されていました。
吉田裕氏の師匠の藤原彰著『中国戦線従軍記 歴史家の体験した戦場』(岩波現代文庫)もお勧めです。同書のp.217で触れられていますが、藤原氏は、戦後、岩波書店内に事務局を置いた「歴史学研究会」でアルバイトしていますが、そのころ同じ事務局で後年学習院大学教授となる斉藤孝先生(学生時代に「国際政治史」の講義を受けたことがあります。)もおられました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S16139787.html