日別アーカイブ: 2024年11月11日

ベルリンの壁崩壊から35年

11月9日は1989年のベルリンの壁崩壊から35年の日にあたりました。壁の設置が始まった1961年でしたから、壁が存在した期間は28年間あったのですが、今となっては崩壊してからの年数が長くなったことを改めて感じます。一方でこの頃から日本は次第に元気を失い、すっかり冷笑主義がはびこる、つまらない時代になったように思います。
私がベルリンを訪ねたのは、1992年の暮れでしたから、その当時は壁崩壊がわずか3年前のできごとでした。まだ取り壊されていない壁や犠牲者追悼碑も多くあり、境界のかつてのシンボル、ブランデンブルク門周辺には出所不明のコンクリート片や旧東ドイツ軍の帽章などが土産物として売られていました。チェックポイント・チャーリーの検問所跡地のすぐ脇には1963年に開館した民間の博物館、壁博物館があって、東ベルリンから西へ越境する際に使用された自動車・飛行船などが展示されていて、まさに命がけの脱出の凄まじさが伝わりました。
こうして振り返ってみると、時代は変化するものです。それだけに分断と統合の歴史を記録し続ける博物館の存在価値には非常に高いものがあります。