10月5~10日、11カ月ぶりに佐賀県有田町を訪ねる機会がありました。本来の訪問目的は国民スポーツ大会の競技役員に従事することでしたので、スキマ時間はわずかでしたが、それでも少しだけ有田焼の世界を楽しむことができました。
初めて訪ねてみたのは、有田焼卸団地協同組合が運営する「アリタセラ」。ここには日用食器、贈答品、業務用食器、高級美術品などの陶磁器を扱う22の店舗のほか、カフェやレストランがありました。伝統的な有田焼だけでなく、工業デザイン的な雰囲気で最近人気を博している長崎の波佐見焼に近い焼き物も販売されていました。とにかく値段的にも工芸的にもバラエティーに富んでいるので、一通り品定めしてから買い求める場合には便利な施設だと感じました。
有田焼の歴史を知るには、佐賀県立九州陶磁文化館がやはりお勧めです。同館へはずいぶん久しぶりに行きました(たぶん4回目?)。コレクションの質と量が秀逸です。保有資産を計算すればいったいいくらになるのか、ついつい想像をかき立てられます。人口的には少ない佐賀県ですが、県民一人当たりでの資産はかなり裕福なんではなかろうかと思います。
特別企画展「江戸大皿百物語」は、文字通り有田焼の大皿100枚の展示なのですが、緻密な文様の絵付けの技は人間離れした感があり、見事としか言いようがない、大したものばかりでした。