日別アーカイブ: 2024年9月2日

環境省はどこを向いて仕事をしているのか

8月30日に環境省が2025年度予算に向けての概算要求を発表しました。主に水俣病対策関係の内容を報道で追ってみましたが、患者団体側からの要望とは大いにズレがありました。
たとえば、離島の患者の交通費などの手当の加算については、患者の要望を取り次いだ熊本県からの環境省への要求は月1千円から月1万円への増額だったのですが、結果1千円増額(総額1200万円)の月2千円に留まり、都合8千円も値切られました。子どもの使い扱いされた県もこれだけ国から軽く見られていることをどう考えているのか、聞いてみたいものです。それでも見た目は月1千円から月2千円と「倍額」になりましたと、手柄話にしてしまうかもしれません。なんとも情けない話です。
不知火海沿岸の住民健康調査の実施についてももともと数をこなせないやり方なのに、わずか500人未満を対象に2026年度試験的に行うとあります。被害者が死ぬまで大規模な調査はやらないと言っているようなものです。しかも国水研の脳磁計(同調査に使用するとしている)の更新などに4億4000万円も充てるというのですから、呆れます。それよりも、増額要求が盛り込まれなかった療養手当の拡充の方が断然意味がありました。
今回の概算要求の内容を通じて環境省の役人たちはいったいどういう脳で仕事をしているのかと疑問に思いました。水俣病被害者救済については、まだ課題がたくさん残っています。地元の首長や議員が率先して動かないのも非常に残念ですが、これからも一つ一つ追及していくしかありません。
写真は8月31日の朝日新聞熊本地域面のイメージ。