8月29日の熊本日日新聞17面の「わたしを語る 高谷和生さん 第48回」で、玉名市の街角サロン「馬空」ならびにオーナーの荒木さんらお仲間のことが紹介されているのを拝読しました。
同サロンへは昨夏と今夏の2度おじゃまさせていただきました。
民間だからこそ自由に情報発信できて、世代や属性を超えた市民交流が創出されている大切な場所であることが伝わった、喜ばしい紙面でした。
高谷さんらが構想している「戦争ミュージアム」が、熊本県にもぜひとも必要です。
【関連情報1】
その記事にお名前が出ている荒尾市の松山強さんが所蔵する戦時資料の一部が、大牟田市立三池カルタ・歴史資料館で9月23日まで開催中の「平和展2024 兵士たちの記憶 戦場からのメッセージ」で展示されています。先日、観覧してきました。
同氏の所蔵する戦時資料については、31日まで玉名市立歴史博物館こころピア・エントランスホールで開催中の「夏の平和展2024子どもたちが見た戦争」の会場にも展示されています。
記事には同じく宇城市の上村真理子さんのお名前も出ていますが、同氏が所蔵する戦時資料については、今年6月に宇城市の不知火美術館で開かれた「うき 戦争の記憶展」で観覧する機会を得ました。
私がこれら戦争遺産に関心を持つきっかけは、昨夏の「馬空」訪問にあったので、感謝しています。
【関連情報2】
玉名と言えば、日本のマラソン界の先駆者・金栗四三が主人公のNHK大河ドラマ『いだてん ~東京オリンピック噺~』(2019年)のご当地。「馬空」のお向かいの中華料理店「煌」には、その金栗四三を慕う反骨のランナー・川内優輝氏の色紙が飾ってあります。
その『いだてん ~東京オリンピック噺~』のオープニングタイトルバック画として山口晃さんが制作した「東京圖 1・0・4輪之段」が、現在、佐賀県立美術館で開催中の特別展「ジパング 平成を駆け抜けた現代アーティストたち」に出品されています。同作品が展示されているとは知らずに先日訪ねたのですが、同じく山口晃制作の東京パラ輪公式ポスター「馬からやヲ射る」(2019年)と「当世壁の落書き 五輪パラ輪」(2021年)と併せてじっくり鑑賞してきました。
「東京圖 1・0・4輪之段」はサイズ的にも大作で、TV画面では気付けない、図に盛り込まれた東京の過去と現代の細密な描写の豊かさには驚嘆しました。神宮外苑周辺の箇所の描き様も、今にして思えば興味深いものを覚えました。
「当世壁の落書き 五輪パラ輪」は、制作者が「毒まんじゅう=翼賛案件」とまで思い悩んで末にあえて東京パラ輪公式ポスター制作にかかわり、「真ん中で声を上げる」道を選んだ心境がマンガ仕立てで表現されています。
そういう作品を生み出す山口晃さんがかかわった『いだてん ~東京オリンピック噺~』は、やはり名作だったと改めて感じました。
【関連情報3】
山口晃制作の東京パラ輪公式ポスター「馬からやヲ射る」(2019年)を見ると、なんだか「馬空」のイメージとかぶる気がします。
天空の馬上から、口や足を使って矢を射る人物の背景には、アンダーコントロールだと誰かさんが言った福島第一原発や、5cmの段差を越えられない車椅子の人など、多くのモチーフが描き込まれています。矢が向かう先には霞が関があるのだそうです。