日別アーカイブ: 2024年6月25日

生まれながらの戦争協力者という悲しみ

6月25~30日という短い期間ですが、一般社団法人くまもと戦争と平和のミュージアム設立準備会主催による「うき 戦争の記憶展」が宇城市不知火美術館で開かれています。本日の熊本日日新聞紙面で知り、準備会幹事の高谷和生氏(現在同紙「私を語る」連載中)の講話には間に合いませんでしたが、さっそく会場を訪ねてみました。1945年の宇土・松橋空襲といった宇城地方の戦禍を伝える展示のほか、特に私が注目したのは現在の講談社が子ども向けに発行していた戦意高揚を目的とする出版物の展示でした。
それで、それら出版物は、準備会事務局補佐の上村真理子氏の収集したものなのだそうです。その内容は現代のほとんどの国民からすれば狂気としか言いようがないものでした。しかし、生まれたときから国家に忠誠を求められ侵略戦争も厭わないことが是とされていれば、子どもたちにとっては狂気ではなく、当たり前の常識であり、疑うことなく育っていったのだろうと思います。戦争協力者・遂行者として死ぬことが美徳ですらあると、信じ込まされていたわけです。もちろん当時の大人の一部は、子どもたちにそうした洗脳教育を行うことに反対したかもしれませんが、大勢としては多くの大人が非戦・反戦に立ち上がることなく戦争に順応・協力したのだと思います。
なぜこの狂気に気付けなかったのか、なぜ止められなかったのか。さらに言えば、ただいま今日においても戦争へ向かう狂気のサインを見落としていないか、知らずに加担していないか、過ちを止めさせる行動を起こしているかと、展示は問いかけてきます。
関連企画が下記の通りありますので、併せて紹介します。
○第16回熊本空襲を語り継ぐ集い~空襲の記憶を次世代へ~
◆主催:平和憲法を活かす熊本県民の会 くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク
◆日時:7月1日(月)13:30~15:30
◆会場:くまもと県民交流会館パレア 10F会議室7
◆資料代:500円
○夏の平和展2024 子どもたちが見た戦争
◆日時:7月23日(火)~8月31日(土)の9:00~17:00 月曜・祝日の翌日は休み
◆会場:玉名市立歴史博物館こころピア エントランスホール
◆観覧:無料
○第5回くまもと戦争遺産の旅~天草海軍航空隊、本渡空襲と軍人像をめぐる旅~
◆旅行企画実施・申込先:旅のよろこび株式会社 TEL096-345-0811 月-金・9-18時営業
◆日時:8月6日(火)8:15~19:00 熊本駅新幹線口発着 貸切バス
◆案内ガイド:くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク代表 高谷和生氏
◆旅行代金:10800円 7/26申込締切り 24名募集 最少催行人員15名
※昨年実施の第4回の旅には私も参加しました。お薦めします。