月別アーカイブ: 2021年5月

五輪への理解が確実に減ったのでは

昨日から高齢者向けのコロナワクチン接種予約を開始した自治体が多いのですが、かなりの混乱があったことが報じられています。国から接種体制を投げられた自治体が予約できなかった人からのクレームの矢面に立つわけでこれも災難としかいいようがありません。仕事としてやってられないのではないでしょうか。一方でオリンピック選手にはワクチンを優先接種させるだの、期間中に大勢の医師・看護師の人材が割かれるといった話が出ています。しかも、オリンピック実施に伴い投入される医療従事者のための費用も国からのお金、元はといえば国民の財産からとなります。こうしたちぐはぐ感から五輪開催を望む声が昨日をもってずいぶん減ったのではと感じます。確かに競技の世界では最後まであきらめずにプレーすることが素晴らしいとされますが、選手派遣ができない国・地域が多い中で本当に世界一を言える競技結果を見れる大会となるのかという点でもはなはだ疑わしい情勢となってきました。現実を過小評価し希望的観測で感染拡大防止策を行うようではコロナに負けるべくして負けるのではないかと思います。

ワクチン接種予約で国民は何を思うか

多くの市町村で本日から高齢者を対象とする新型コロナワクチン接種の予約が始まりました。高齢者を家族にかかえる家庭では朝から予約確保に忙しかったことだろうと思います。電話は通信会社が着信制限をかけていることから最初から断念し、インターネットでの予約を試みました。しかし、アクセス制限で予約ページが開かなかったり、アクセスできても操作途中でページ遷移がうまくいかずにエラー表示が出たりと苦戦を強いられました。それでもなんとか完了にたどり着いたのですが、予約を断念した家庭も多かったかもしれません。受付については予約者・自治体双方にとってもっといい方法がなかったのかと思いますし、今回のことで行政に対する不満や不信が出てきそうな気がします。仕事ができる行政となるためにはどうしたらいいのか。

新電力も考えもの

一昨日、信用調査会社の発表において、菊陽町に本店を置く太陽光発電所開発会社の倒産が明らかになりました。今年2月よりグループ会社である新電力売電事業会社と取引先である電力卸会社との地位移転をめぐるトラブルが表面化したことに加えて、同売電事業会社が賦課金を国へ納付できていないことが経済産業省によって先月公表されるなど、信用が失墜してしまい、債権者から破産を申し立てられ、4月28日付で熊本地方裁判所より破産手続の開始決定を受けたとありました。負債総額は4億円とのことです。ネット上ではこの間のいきさつが債権者・債務者双方から発信された情報を元に振り返ることができるページもあります。実は倒産会社の代表者の人となりについて知ってはいますが、派手な資金調達やマスコミ発表には手慣れていても、リスクマネジメントに疎く、自己の不足を補う人材にも恵まれていなかったためではないかと思います。山肌を太陽光パネルで覆う発電スタイルの将来性の限界についても当初から危ない予感がありました。本日の日経には砂漠に光触媒パネルを置き水素工場によりエネルギーを賄っていく資源革命の研究について報じられていました。その研究を支えるスケールは有象無象の新電力会社の比ではありません。破産会社の代表者らには別の道での再起を期待したいと思います。

ブルシット・ジョブの国民的遂行能力

くまモンの公式ツイッターに「先日、熊本で行われた「東京2020オリンピック聖火リレー」のセレブレーションに参加させてもろたモン!熊本で聖火をつながれた168人のみなさん、おつくまさまでしたモン。この灯が熊本の復興の光へとつながりますように・・・だモン☆」とあった通り、かかわった当事者がオリンピック開催を本音では祝賀するのではなく、災禍からの復興への願いの儀式に主眼を置いているのは、たいへん不思議な社会現象だと思えます。こうした国民的スレ違い行事を大真面目に実施できる能力があるからこそ、普段からブルシット・ジョブが特にお役所は得意なんだなと、妙に感心しました。

聖火ではなく松明リレー

5月5-6日の2日間、熊本県内でも「聖火リレー」と称する「松明(たいまつ)リレー」の光景が見られました。私が居住する市でも行われましたが、オリンピックそのものの開催が危ぶまれている中、わざわざ見物こともないと考えて過ごしていました。報道ぶりを見てもランナーや観客の反応はオリンピック開催気運を高めるというよりは、地震や豪雨災害からの復興を願ったり、コロナ禍で沈む地域を元気づける側面が強い印象を受けました。聖火に名を借りた松明イベントはオリンピック関連行事というよりも神事めいたものがありました。これほどまでに目的とかけ離れたイベントを表向き大真面目に運営する自治体やそれを報道するメディアの本質隠しが滑稽なほどに寂しい思いをしました。

総合知・共同プロジェクト・当事者意識

最近国会に提出される法案において条文間違いがたびたび発生しているようです。この問題について官僚出身で現在は政令指定都市の市長を務める人物が自身がかかわった条文間違いを引き合いに法案作成過程の実態と予防策について本人のブログで書いていました。このように当事者経験のある人の提言は重要だと思います。ミスが起こりえる環境については当事者しか知りませんし、立場上なかなか外へ出にくい情報だと思います。それで、予防策については、国会提出前にホームページ等で一般の人に見てもらうことを提言しています。一般の人といってもその法案の分野に明るい学者や研究している学生が含まれるかもしれません。私らのようなもの好きな実務家がひまつぶしに目にするかもしれません。実際、私が所属する団体の規則改正案でも間違ったままの状態で会議に上がってくることがありますから、できるだけ総合知や共同プロジェクトの形をとった方が完成度が高いものに仕上がると思います。それと、そうした法案にかかわる人の当事者意識の醸成が必要です。いわれて作業するものにはどうしてもほころびが出ます。たとえ決まりごとが成立しても思ったような政策効果が出ないことにもなります。

ブルシット・ジョブの主要5類型を知る

『ブルシット・ジョブ』を読み出したところですが、これはこれまでの職業人生を振り返りたい人にとっても、これから職業人生を迎えようという人にとっても有益な本だと思います。本書は、世界各国のブルシット・ジョブ経験者の証言データを基にした共同プロジェクト的な構成となっていて、きわめて説得力があります。私自身も35年余りの職業体験でブルシット・ジョブは身近ですので、すんなりと頭に入ってきます。ところで、そのブルシット・ジョブの主要5類型として以下が示されています。「取り巻き(フランキー)」「脅し屋(グーン)」「尻ぬぐい(ダクト・テーパー)」「書類穴埋め人(ボックス・ティッカー)」「不要な上司・仕事割当係(タスクマスター)」がそうです。自分自身の仕事の中にそれらが含まれてもいましたし、周囲にもそのような役回りの人がずいぶんいた職場環境を体験してきました。1980年代はイリイチが指摘する「支払われない労働(シャドウワーク)」が話題になりましたが、当時はどうでもいい仕事の存在に目を向けてはいませんでした。この点はまた考えたいとは思います。1930年に経済学者のケインズは、20世紀末までに英米のようなテクノロジーが発達した国では週15時間労働制が実現されると予言しました。現在のところそれは当たっていないのですが、仕事の中身を問うと、十分実現可能なのではないかという気がします。

民主主義の後退サインを見落とさない

エリカ・フランツ著の『権威主義』は、民主主義の後退サインを知るうえでたいへん役に立つテキストでした。第二次世界大戦後から今日にいたるまでに登場した世界の権威主義政体を分析してその登場形態から生き残り戦略、崩壊形態について解き明かしています。権威主義体制の政体としては、中国のような支配政党独裁、北朝鮮のような個人独裁、ミャンマーがさらされている軍事独裁などがあります。その独裁体制の継続期間の平均は前述の順となっています。体制の維持には抑圧と抱き込みの両面があります。抑圧一辺倒では体制を転覆させたい人々が多くなるのは当然になります。政党幹部・党員やリーダー親族への恩恵を与えることが抱き込みになりますが、軍事独裁の場合は抱き込み手段が限られ内部に派閥ができやすく、クーデターでさらに体制が変わることが多いようです。天然資源に恵まれた産油国では国民への経済的恩恵が高いため、王族独裁体制が安定している例もあります。権威主義体制ではとても公正とはいえない選挙制度や議会制度を採り入れ民主主義の擬態を見せることが好まれます。まやかしなのですが公正な選挙への参加の権利を奪っている点でそれは人権を蔑ろにしていて支配者と被治者という不平等状態にあると考えるべきです。世界の人口の多くが実はこの権威主義体制下に置かれています。そして、民主主義体制はいつでも後退する危うさもあります。それは抑圧ではないか、それは抱き込みではないかと、一つひとつの事象を丹念に判断する必要があります。

長平の戦い

数は力であるのは確かですが、中国古代史上最大の戦いとして知られる、長平の戦いを振り返ると必ずしもそうではありません。紀元前3世紀の戦国時代、全国制覇を競った大国・秦と趙との戦いでは、数で劣った秦軍側による地形を生かした知略により、補給路を断たれた趙軍側が40万人の戦死者(その大半が餓死者)を出したとされています。現代のミャンマー国軍の勢力がやはり40万人といいますが、彼らの補給路は軍幹部を据えている多くの国有企業からの利益です。多くの公務員が職場放棄を行い行政が停滞していますが、それだけでは国軍の横暴を止めることはできません。軍へ資金を送っている企業との取引を止める国際的な制裁が必要ですし、それを抜け駆けしようとする者への監視も求められます。

一時金の交付に要する期間について

申請期限が5月末までの「熊本県事業継続・再開支援一時金」の申請から交付に要する期間についてですが、先に投稿の通り当事務所が個人事業主として3月21日に県ホームページから申請したケースでは、1カ月後の4月22日に交付決定通知が出て翌23日に入金されていました。同じく3月21日に県ホームページから申請していた、当社(法人)については、4月7日に添付書類についての照会があった後、その翌日に回答を行い、4月28日に交付決定通知が出て祝日明けとなる30日に入金されました。というわけで、処理に30~40日かかるようです。マイページ確認ができないので、申請者は参考情報としてください。