日別アーカイブ: 2020年9月15日

正確な物言いをしているかを監視する

『元徴用工 和解への道』を読んでいます。長年、元徴用工の支援を行ってきた弁護士の著作ということで、豊富な情報に裏付けられています。ただ、世間一般の理解度は、政府の言説のミスリードや報道人の勉強不足もあり、きわめて貧弱です。その理解が進まない限り、韓国や中国との関係はおかしなものになると思います。本書で2019年2月3日号の『サンデー毎日』に載った、作家の高村薫氏の指摘がわかりやすいので、紹介します。「日本政府は、戦後賠償問題においても、正確な物言いをしていない。(中略)日本は首相も外務大臣も、1965年の日韓請求権協定により戦後賠償問題は両国間で最終的に解決済み、と声高に繰り返している。あたかも韓国の司法が国際法を無視していると言わんばかりだが、一方的な暴言は日本のほうではないだろうか。」。
まず確認しなければならないのは、日本の政府も最高裁も個人の請求権は失われていないという見解ですが、それがあまり知られていません。1965年当時のレートで金1080億円相当の無償3億ドル供与の請求権協定も、金1080億円が一括支給されたのではなく、10年の期間にわたって分割の現物支給でした。その現物というのは、日本政府が国内企業から買い上げたプラントなどであり、むしろ日本企業のアジア進出への手助けの意味が強かったといわれています。