吉田敏浩著『ルポ軍事優先社会――暮らしの中の「戦争準備」』(岩波新書、960円+税、2025年)は、いかに我が国の安全保障政策が見当違いのであるかを理解する上で有益な情報が満載です。もっと言えば、米国に日本の主権と巨額の公金を献上し、自国民に対する棄民政策が進行しているのを知らずにいて、あまりにもおめでたいよねという警告の書だと思います。
国民一人ひとりもそうなのですが、対等である国の暴走を止めるよう地方自治体にもしっかりしろと言いたい気持ちにさせられます。
本書の内容の一部は、2024年4月~7月号の雑誌『世界』に掲載されていたので、すでに読んではいたのですが、改めてまとめて読んで良かったと思いました。つべこべ言わずに多くの方に読んでほしいと思います。
添付画像は、私が住む宇土市の広報2025年4月号p.12に掲載の「自衛隊に提供する対象者情報の除外届受付」のお知らせ。もともと自治体には自衛隊への個人情報提供の義務はないのですが、多くの自治体が本人の同意なく提供しています。この除外届すら同市では2年前からようやく制度化されました。詳しくは、本書「第2章 徴兵制はよみがえるのか 自治体が自衛隊に若者名簿を提供」を参照してみるといいです。
「第5章 対米従属の象徴・オスプレイ 危険な「欠陥機」を受け入れる唯一の国」では、有明海の海苔養殖への悪影響もさることながら、飛行の際に発生する低周波音も相当なものだと知りました。本書とは別の話になりますが、現在水俣の山間部で陸上型風力発電設置の計画があると聞いていましたので、これは考えものだなという印象を持ちました。風力発電機はせめて海上型でしか認めない方向であるべきではと思います。低周波音による被害については以下を参照ください。
https://www.soumu.go.jp/kouchoi/knowledge/faq/main2.q14.f_qanda_16.html
