起業」カテゴリーアーカイブ

なんもしないひと人

緊急事態宣言下で「レンタルなんもしない人」がどうしているかふと気になって調べてみたら、なんとテレビ東京でドラマ化されていて昨夜から放送されていました。当人は相変わらずなんもしていなくて、それを題材に放送事業を継続している局の感覚が悪い意味でなく新鮮な驚きでした。全国を見渡すと、このなんもしない業の方がいて、「なにもしない人」とか類似の名称で活動しているようです。そして、昨日は、テレビ会議システムのZOOMの使い方セミナーがあるのを知り、さっそく申し込んでみたのですが、ZOOMを使ったなんもしない業を始める人がこれから出てくるのではとも思いました。

人生は一度きりか

昨日、私が過去15年間勤めていた企業の代表者が亡くなられました。故人には私事においても仲人をお願いしましたし、たいへんお世話になりました。会話したのは、熊本地震の直前に、当時、私の長男が大学進学した折に、電話をいただいたのが最後でした。来月には叙勲の祝賀会にも参列する予定でしたので、久々にご挨拶するのを楽しみにしていました。在職当時、故人がよく口にされていたのは、人生は一度きりということでした。夢という言葉が好きで、働くのも遊ぶのも一生懸命という生き方を実践されました。反面私は、働くのも遊ぶのもそれほど好きではなく、しいていえば学んだり知ったり、考えをこうしてまとめて書くのが好きのように思います。ただ、その15年間でいろんな仕事も経験できましたし、いろんな場所を訪ねることもできました。今の仕事や生活環境に役立ってきていると思います。故人と私違っているようで、お互い好きなことをしてきたという点では似ています。悔いを感じなければ、人生が一度きりで終わりと達観することにはならない気がします。

財務管理は自身で

大半の行政書士事務所は、個人事業者ですので、事業年度(会計年度)は1月始まりの12月終わりとなります。当然のことですが、自身の事務所の会計記帳は自ら行います。申告も自身で行います。自ら行うことで現状と課題が見えてきます。財務管理については可能な限り事業者自身が行うことを勧めます。

副業会員の受け入れを歓迎

けさの朝日新聞では全国の主要100社に調査したところ、37社で副業を認めると回答があったことを報じていました。新卒入社してもその会社が定年まで存立しているか不透明な時代にあっては、副業できる能力を身に付けることは自己防衛の一つとして不可欠ですし、当然の流れかなと受け止めました。かく言う私も先に会社を起業してから行政書士事務所をスタートさせて8年半あまりです。始めてみるとどちらかが主でどちらが副ということはなく、業務に携わる以上はどちらも完遂する責任が生まれます。シーズンによって売上高のウエイトが交互になることがありますが、得難いのは相互の業務の経験が職務能力の幅を広げる点です。熊本県行政書士会にもいろんな職業体験をもつ幅広い会員が入会してくれることを待っています。

職業能力と事業能力

仕事ができるということは、言い換えれば職業能力ということになり、その要件については、自ら事業経営に携わる職業人も事業所に雇われて働く職業人も変わりないように思います。大雑把に言えば、好感が持たれる人、信頼される人が、概ねいい仕事をします。しかし、事業能力については、その立場でそもそも要求される場合とそうでない場合があり、同じ職業人でもかなりの差があると思います。

法人力

当社の決算期末は11月末、個人事業主である行政書士事務所は12月が期末です。これから年明けにかけて年末調整や株主総会、納税、確定申告の作業があります。なんせ一人での運営ですから例年なんでも一人で行います。専門士業に頼むほどの分量でもありませんし、頼むメリットが出るだけの事業規模もありません。かえって自分で行う方が、他の専門士業の業務の一端を知ることができて自分の業域にとっても有益だと感じています。そしてこうした作業に携わるといつも感じるのが、法人による公的業務の代行力です。税金や保険年金の徴収支払いを官公署等へ本人の代わりに行ってくれるわけで、その事務負担は莫大なものだと思います。それだけに、さまざまな法人に自前でこうした業務ができる人材がいることは、国や地方公共団体にとっても事務負担を減らして本当に必要な部分に公費を出せるわけで貴重です。それは回りまわって助け合う社会づくりへの貢献となります。安心して働ける法人とそうした法人運営ができる人材がもっと増えていくようになってほしいものです。

良識と教養の陶冶

行政書士倫理綱領の中に「人格を磨き、良識と教養の陶冶を心がける」とあります。昨日も研修会を開催しました。研修の業務分野は産業廃棄物運搬処理業許可申請とグループ補助金申請でした。私自身は取扱い実績がない分野ですので、それぞれの責務の重さを感じました。ともすれば許可を得たいとか補助金を受けたいとか依頼者は、その先にあるプラスの部分にだけ思いが行きがちです。しかし、無理を押していい加減な事業を続けたら、社会に迷惑をかけたり事業が行き詰って補助金の返還を求められたりすることがあります。そうしたマイナス部分も依頼者に理解してもらうことも専門家の務めだと思います。

スタートアップ支援

今月27日に福岡市の創業支援施設内に開業ワンストップセンターがオープンしたとの報道を目にしました。行政書士が案内人となってテレビ電話を利用して公証役場とを結び電子定款認証に際しての本人確認を支援している模様が写真掲載されていました。法人設立にあたって最大6カ所へ訪問しなければならないところが、このセンター1カ所で手続きが完了するそうです。福岡市ではこのセンターの運営に年間750万円の予算を組んだということでした。このテレビ電話にしてもあまり一般には使われていないシステムですので、どの程度普及するのかわかりませんが、とにかく創業手続きのハードルを自治体として下げようと動いているのは評価できます。市外の創業者も無料で使えるそうなので、ぜひ見学したいものです。福岡市の創業支援の取り組みとしては、外国人が起業準備するための特定活動の在留期間が1年間申請できるというものもあります。この分野も日ごろ行政書士が支援できるものですが、起業プラス海外連携という方向をもつ福岡市は進んでいるなあと思います。

農村の自立

旧清和村長で、今は私と同じ熊本県行政書士会会員である兼瀬哲治会員の著書『農村の第四革命』(熊日出版、1000円+税、2019年)が、昨日(6月9日)の熊本日日新聞読書欄で紹介されていました。太陽光発電や小水力発電で農村の自立に成功された実践の記録が綴られています。本年度より私は本会の研修部長となりましたので、ぜひ兼瀬講演を企画したいと思っています。写真はブラジル原産のジャカランタという花木です。宮崎県日南市に群生地があります。

期末準備

株式会社アテンプトの第8期の期末まで残り1週間となりました。例年通り代表者1名で開く株主総会の準備のため、事業報告書草稿を作成しました。株主1名だからこそ決定も迅速で、責任も一手に引き受けなくてはなりません。そのやり易さは感じています。

無為から有為を得る

昨日は珍しく外部のセミナーに参加しました。自治体主催で中央のコンサルタントを招いての地域活性化人材育成を見据える、よくありがちなセミナーです。分野的に農泊ということで、現在携わっている業務とも親和性が高いので、参加してみた次第です。正直、学びたい部分の情報が少なく、私の期待に沿う内容ではありませんでした。しかし、無為だからこそ自分にとっての有為が明確になり、その足りない部分を自ら補っていけばいいことが分かったので、まったくの無駄ではなかったと思います。それにしても、事例として紹介された農泊サイトの話を聴いて、お金を出す官とそのお金を使う民との双方の能力不足は、どのような分野でもあるなと、改めて思いました。

改正民法と民泊新法

改正民法や民泊新法についてお話しする機会がありました。社会の変化に応じて法律は変化します。国民一般に分かりやすい内容にも変化しています。ですが、専門家の解説内容はまちまちですし、実社会の当事者がそれらの知識をもっているとは限りません。どのような専門家や取引相手を選ぶかの眼にも変化する法律の知識はあった方がいいと思います。

関家平安

写真は今回の台湾行きで土産物店で入手した置物です。台北は人口密集地ですので、ほとんどの世帯が高層住宅で暮らしています。葬送の問題も深刻で、昔ながらの土葬墓を持てるのは富裕層に限られ、納骨堂利用もコストがかかるということでした。街中は個人商店が多く、独立心が高いたくましさと温暖な気候からくる大らかさを感じました。

戦争体験と経営者

入手できるのは来週半ば過ぎになりそうですが、次に読みたい本は、立石泰則著『戦争体験と経営者』(岩波新書、780円+税、2018年)です。大半の人はできるだけ楽に働きたいと考えると思うのですが、戦後日本の経済を引っ張て来た経営者の中には少なからず強烈な使命感で事業を進めてきた人物がいます。逆に何の反省もなく武器製造や輸出で儲けようとする者もいます。事業を語る前にどのような社会を創りたいのか、人間としての倫理を考えてみたいと思います。

過ちを学ぶことに意味がある

昨日、浜矩子著の『窒息死に向かう日本経済』(角川新書、820円+税、2018年)を読了し、今は御厨貴・本村凌二両氏による対談構成本の『日本の崩壊』(祥伝社新書、820円+税、2018年)を読み進めています。それぞれ日本の経済や政治の過ちについて解説してくれている本です。ちまたで見かける日本礼賛本や外国偏見本よりは、精神衛生上、良い本だと思います。過ちが分かるからこそ、それに乗らずに済む生き方が過ごせるわけで、乗せられてバカを見る愚を小さくできる点でお得です。たとえば、JPX日経400にランクインする呪縛に囚われた企業なんかに勤めるものではないという気になります。

壊しては創るの繰り返し

株式会社アテンプトで行っていた一つの事業をこのたび整理することとしました。運営自体は順調でしたが、市況が悪く、こればかりは経営努力で改善できない分野でしたので、取り返しがつかなくなる前に離脱することにしました。この点は、代表者一人の企業ですので、動きはいかようにも早くできます。当面は知財を活用した事業に注力し、状況が変われば再参入も考えたいと思います。考えてみれば、会社員時代もいろんなプロジェクトに取り組み、後に畳んだものも数多くあります。そういう経験が飽きが来なくて向いている気がします。

民泊新法施行

住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法の施行日を迎えました。すでに届出を済ませた事業者が3000件ほどはあるようですが、届出を行わない事業者はヤミ民泊に走るのか、事業継続を諦めるのか、というところです。届出番号を取得できないと正規の仲介事業者を通じた利用者の確保ができませんから、ヤミでは集客力が落ちてしまいます。事業を行うためには、衛生面や防災面での設備対応が求められますので、物件によっては費用がかさんでしまいます。届出事業者となると、日常の管理はもちろん、定期的に宿泊実績の報告も求められます。しかも年間の稼働日数は半分以下に抑えなければなりません。収益を上げながら行政の監視にも対応するというのは、それなりに事業者の管理能力が問われます。

専門職能のバージョンアップ

昨日も専門職の業務研修に参加しました。一つでも何か新しい気づきが得られると出た甲斐がありますが、すでに理解していることの確認だけだと、動機が下がります。しかし、こうした無駄の上にしか責任ある仕事の完了は生まれないことも分かります。本日の朝日新聞では、3月15日から申請受付が始まった民泊事業者の届け出が1000件に満たないことを報道していました。新たな法律や改正に伴ってどのようなメリットがあるのかを国民に解説し、活用してもらうのも法務専門職の役割だと思います。

好対照

電子媒体が普及している中で、一般に印刷業界は斜陽産業といわれます。それでも、需要はあるわけで限られた印刷会社は生き残っていくと思います。その印刷会社関連のニュースで対照的な経営者の姿勢の報道に接しました。一つは、東証一部上場の世界的にも最大規模の大日本印刷の39年ぶりの社長交代ですが、これが3代続けての世襲となっており、「“息子ありき”で選んだわけではなく、候補者の中から適任者を選んだ。」ということでした。しかし、グループで4万人近い人材がいながらこのざまとは、政界と似たような人材不足が哀れに思えました。もう一つは、福岡市に本社を置く青陽社の80歳の創業者社長が、九州大学に奨学金名目で5億円余を寄付したことです。この方は、家庭が貧しく高校在学中に恩師から九大進学を勧められたそうですが、あきらめた経験をお持ちです。「死んで財産を残すよりも若い方に渡した方が、お金が生きる、あの世に行ったときは財産ゼロという死に方をしたい」と語っておられます。こちらには清々しさを覚えます。