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難民とともに

明日6月20日は「世界難民の日」だそうです。今月13日に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が出した報告書によると、2023年末時点での難民の人数は世界で1億1730万人(前年比880万人増)となっています。2024年4月末時点ではさらに増えて、UNHCRの推計では世界で1億2000万人に達し過去最多といわれます。戦争紛争が原因の最たるものですが、権威主義体制下の人権弾圧やこれからは気候変動による難民の増加も見越す必要があります。
日本国民が身近に考えて支援できることといえば、やはり難民を社会的に包摂するということにほかならないと思います。『世界』(2024年7月号)掲載の橋本直子氏による「『難民を受け入れる』ということ――線と面で考える」は、課題の理解に寄与するコンパクトな論考でお勧めです。
「世界難民の日」に岩波新書から刊行される同氏の著書『なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点』も読んでみたいと思います。
それにしてもレイシストのデマを鵜呑みにするようなバカに議員報酬を与えて養っている現実が周囲にあったりしてやり切れません。

権威主義体制下の人権弾圧から逃れる難民もいますが、近年は中国から日本へ経営や就労の在留資格を得て移住する「潤」と呼ばれる人たちの存在も注目されています。難民申請に至らない富裕層や知識人らからなりますが、中国の体制に疑問を持って逃げてきた点では、変わりないとも言えます。
じっさい「潤」の中国語の発音のローマ字表記は、「run」なのだそうですが、これが「(生活が)潤う」とともに「(国外に)逃げる」という意味と重なるといいます。
これらの生活自立した中国の中間層の移住は、日本の国益にとっても損にはならないのではないでしょうか。
写真は上海の高層ビル建設現場。1997年撮影。

特定活動の対象に高度専門士を追加

「特定活動の対象に高度専門士を追加などの見直し」について、【出入国在留管理庁からのお知らせ】メールマガジン(20240329)より引用してお知らせします。

【出入国在留管理庁からのお知らせ】(20240329)

外国人留学生の就職促進に向けて、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の運用を見直すとともに、大学卒業者と同等と認められる者について、在留資格「特定活動(告示第46号)」の対象に追加しました。
詳細はこちら
https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/10_00188.html

専門家選びは難しい

熊本県弁護士会所属の若手弁護士の方がこのたび日弁連ゴールドジャフバ賞を受賞されたと、本日(3月3日)の地元紙が報じていました。この方は、元技能実習生死体遺棄事件で、被告の主任弁護人として最高裁で昨年3月24日逆転無罪判決を勝ち取っています。私もこの方の存在については、事件発生直後の2020年11月から救援に動いていた先輩行政書士の方の講演で聴いて知っていました。最高裁の自判無罪判決を得るのは稀有なことで、本件は戦後25件目にあたります。2018-2022年の最近5年間の最高裁の事件処理件数に限っても、高裁から最高裁への上告件数は1万件ありますが、そのうち最高裁が弁論決定したのが16件(0.16%)、破棄自判無罪となったのは2件(0.02%)に過ぎません。ただでさえ支援が行き届かない技能実習生制度のもとでの孤立出産が罪に問われた事件から被告女性を救った活躍は素晴らしいと感じます。
日常生活において多くの人は裁判とは縁がありませんが、いざ係争となると、いかに仕事ができる弁護士と出会えるかが重要です。私も会社員時代に法務的業務に従事して、顧問を委嘱する弁護士を探したり、はたまた解嘱したりした経験があります。今回の受賞報道に接して、法務担当時、世話になったある優秀な弁護士を思い出しました。その方は、1993年3月25日の水俣病第三次訴訟2陣熊本地裁判決において、チッソ・国・熊本県に勝訴の判決を得た際の弁護団の若手弁護士の一員として活躍されています。その判決は賠償金の仮執行と仮執行の免税がついているものでした。弁護団は事前に周到な準備を進めて、和解に応じようとしなかった国に打撃を与えるため、国に賠償金を支払わせる仮執行に成功しています。国が執行金相当額を熊本法務局へ先に供託すれば、仮執行が免税されますが、判決直後に国の現金が保管してある熊本中央郵便局へ執行官と弁護士が出向いて差押えれば、仮執行が可能になるというものでした。しかも、執行金を預金する先の銀行から金銭をカウントするプロと紙幣をカウントする機械も伴っています。そのあたりの攻防の模様は、水俣病訴訟弁護団編『水俣から未来を見つめて』(1997年刊)に書かれていますが、このように鮮やかに国の現金を差押えする前例はなく、読むと法廷ドラマのようなドキドキ感があります。
ただ一つ残念なのは、私が世話になり、上記の手記を執筆した弁護士とは別の方ですが、同じ当時の若手弁護士のメンバーの一人で、先ごろまで全国B型肝炎訴訟熊本弁護団長だった人が、口座の預かり金から約9000万円着服したという報道が今年ありました。30年後にこうした事件を自らしでかしてしまう弁護士もいるわけで、資格だけで資質を体重みたいに推し量ることはできず、弁護士など専門家選びはなんとも難しいものです。
写真は記事と関係ありません。ウィーン市内で見かけたコイン式体重計(1993年1月撮影)。同種のものは昔モスクワ市内でも多数見かけたことがあります。
https://kumanichi.com/articles/1345422
https://kumanichi.com/articles/1314340

熊本市国際交流会館で無料相談会

毎月第1水曜日と第3日曜日の13:00~16:00、熊本市国際交流会館2F相談カウンターにおいて、熊本県行政書士会会員の申請取次行政書士が、無料相談に応じています。
1月10日(日)13:00~16:00には、当職が相談員として対応いたします。
https://www.kumagyou.jp/?page_id=220
https://www.kumamoto-if.or.jp/plaza/default.html
https://www.kumamoto-if.or.jp/kcic/kiji003277/index.html
写真は記事と関係ありません。イタリア・ローマ、スペイン広場(1990年12月撮影)。

それぞれの百年

12月2-3日と水俣病センター相思社で開かれている「百年芸能祭in水俣」の初日イベント「百年座談in相思社」に参加しました。通常は休館日にあたる水俣病歴史考証館に展示されている丸木作品も観覧することがかないました。座談会の前に千葉明徳短期大学の明石現教授による11弦ギター演奏があり、明石ゼミ学生8名による手話合唱もありました。特に普段の生活では無縁の若い女性たちの歌声には、さすがに日頃シニカルな自身の心も洗われる思いを抱きました。これまで何度も相思社を訪ねたことがありましたが、これほど清々しい気持ちにさせられたのは初めてでした。
この後の座談会の最後で、本祭の「口先案内人」を務める姜信子さんが、権力者が怖れるのは、人々が歌うこと、踊ることというようなことを述べていましたが、世の中の不条理に異議申し立てを行う手段としては、確かに力を覚えます。最近読んだ、ロビン・ダンバーの『宗教の起源』でも、笑う、歌う、踊る、感情に訴える物語を語る、宴を開くといった、社会的グルーミングにはエンドルフィン分泌をうながす効果があり、結束社会集団の規模を大きいものにするとありました。法事なんかで経本をみんなで声を合わせて詠まされるように宗教儀式にはそうした要素が仕込まれています。
さて、「百年座談会 私たちのつながりあう百年」では、(一社)ほうせんか理事の愼民子さんから「在日の百年」、宮城教育大学准教授の山内明美さんから「東北の百年」、相思社職員の葛西伸夫さんから「水俣の百年」をテーマにトークがありました。今から100年前の1923年に関東大震災があり、水俣では日窒(チッソ)に対する漁民の最初の闘争が起きています。
座談会では、以下のキーワードがありました。関東大震災直後の朝鮮人虐殺(中国人や標準語を話さない日本人も犠牲になっています)、コメのナショナリズム(植民地での日本米増産)、放射線育種米(あきたこまちR12)、六ケ所村、寺本力三郎、大間原発、三居沢水力発電所、日窒興南工場、野口遵、半島ホテル(現在はソウルのロッテ百貨店が建つ)、水豊ダム、福島第一原発、復興庁、ハンフォード・サイト、朝鮮籍。
今回の座談会を聴いてこの百年を理解する手引きとして、以下の2つの書籍を個人的に挙げてみたいと思います。1冊目は、遠藤正敬『新版 戸籍の国籍の近現代史 民族・血統・日本人』(明石書店)です。「日本人」の定型、「臣民」への画一化が如何に形成されてきたかを知るには良著です。朝鮮籍・韓国籍・琉球籍の経緯を知る価値があります。旧満州国の日本人は満州国人ではなく内地人(日本人)であり続けたことも学んだことがない国民が大部分だと思います。2冊目は、ジャニス・ミムラ『帝国の計画とファシズム 革新官僚、満洲国と戦時下の日本国家』(人文書院)です。先進技術や資源をめぐる利権に蠢く権力者たちが、外国人だけでなく自国民の人権を如何に蔑ろにしてきたか、その手口を知るのに適しています。かつてのテクノファシズムには、今日のテクノソーシャリズムにも近しいところがあり、それも国民は監視すべきだとは思います。ついでに挙げると、これからの百年を考えるには、ブレット・キング、リチャード・ペティ『テクノソーシャリズムの世紀 格差、AI、気候変動がもたらす新世界の秩序』(東洋経済新報社)もお勧めです。
ところで、私の百年では、祖父の兄が大工だったそうですが、関東大震災後の復興特需で横浜へ移住します。その兄を頼って祖父も横浜へ行き、当地で商船会社の社員の職を得ます。北米航路の豪華客船にも乗っていましたが、アジア太平洋戦争中は軍の傭船に乗務し、南方と内地との物資輸送にあたっていました。最期はインドネシアから出港した油槽船に乗っていましたが、マニラから基隆へ向かう途中で米軍潜水艦からの攻撃に遭い亡くなりました。その命日は、偶然ですが、日窒創業者の野口遵と同じ1944年1月15日です。野口遵は電気化学を学んだ人物ですが、私の息子(COP3京都会議の期間中生まれ、私の祖父からすると曾孫)は、現在まさしく電気化学の分野の研究(※)を進めており、脱炭素社会の一翼を担っています。なにかしらつながるものだなと思わざるを得ません。
※一口で言えば、二酸化炭素還元反応。CO2(二酸化炭素)からCu(銅)を電極触媒として用いてCH4(メタン)やC2H4(エチレン)、C2H5OH(エタノール)といった有用物質を得る電解還元の研究。CO2排出抑制につながるものです。

 

 

 

熊本市国際交流会館で無料相談

毎月第1水曜日と第3日曜日の13:00~16:00、熊本市国際交流会館2F相談カウンターにおいて、熊本県行政書士会会員の申請取次行政書士が、無料相談に応じています。
11月19日(日)13:00~16:00には、当職が相談員として対応いたします。
https://www.kumagyou.jp/?page_id=220
https://www.kumamoto-if.or.jp/plaza/default.html
https://www.kumamoto-if.or.jp/kcic/kiji003277/index.html
写真は記事と関係ありません。インドネシア、ジャカルタ国立博物館(1991年7月撮影)。

やさしい日本語

所属団体の研修で「やさしい日本語」のポイントを学ぶ機会がありました。日本語を母語とする人が、日本語を母語としない人たちと接するときに役立つ内容でした。東京都が2018年に行った都内在住外国人向け情報伝達に関するヒアリング調査によると、希望する情報発信言語として「やさしい日本語」が「英語」を上回っています。ではどうしたらいいのでしょうか。たとえば、易しい言葉に書き換えて分かりやすい書き言葉にすることができます。話すときは相手に分かってもらっているか優しく確かめながら進めて行きます。これは外国人向けだけでなくて日本人の高齢者や子ども向けにも必要な対応だと思いました。 https://www.moj.go.jp/isa/support/portal/index.html
一方、日頃見聞する出来事によっては、悲憤慷慨することが多々あります。当然内容的に「やさしくない日本語」で表現したいことが多くあります。私のSNS・ブログにおける情報発信は、ビジネス目的であるよりも自分の日々のメモ代わりが主なので、多くの読者を獲得しようという目論見はもともとありません。あえて読んでみる方は物好きな方に違いないと考えていますので、やさしくない日本語をこれからも多用して咆えていこうと思います。
※写真は記事と関係ありません。アンカレッジ空港内のホッキョクグマ剥製(1990年12月撮影)

それは個人の問題か

河合優子著の『日本の人種主義』(青弓社、1800円+税、2023年)を読んでいるところです。人種差別(レイシズム)に係る著作としては、これ以外に最近では平野千果子著の『人種主義の歴史』(岩波新書、940円+税、2022年)やイザベル・ウィルカーソン著の『カースト』(岩波書店、3800円+税、2022年)を読みました。後の2作は、世界の、あるいは米国・インド・ナチスドイツにおける人種差別の歴史を理解するのにたいへん役立ちました。冒頭の著作はこうした世界の流れも押さえつつ日本における差別に焦点を合わせたものとなっています。
特に日本における差別の実態を見るには、「人種なき人種主義」について注目する必要があると思いました。それを理解すると、他の差別の構造についても同じものを感じます。以下は、p.131からの引用です。
「まとめると、人種なき人種主義とは以下のような人種主義である。まず、人種平等とはこれから実現する「人種は平等であるべき」という理念であるのに、人種主義に基づいて歴史的に作られてきた社会的制度や構造を根本的に変革せずに「人種は平等である」という現実と見なす。いまや人種主義は否定され、みな同じ機会を与えられているのに、異人種間に社会経済的な格差があるならば、それは人種主義の問題ではなく個人の問題、としてしまう考え方である。その結果、人種主義を解決するための政策を導入できなくなることで、既存の人種主義的な社会のあり方が維持される。つまり、人種なき人種主義とは、人種をみえにくくすることで人種主義が不可視化されるような人種主義である。」
外国人や女性、性的マイノリティ、貧困など、差別の構造には、差別する側が自身の特権を見てないことで、特権を持たない側の個人の能力や努力のせいにして差別することを正当化してしまい、差別的な社会が維持される側面もあると思います。「差別はしていない」とか「差別されていない」と言い切って社会改革に後ろ向きな人物は、はたしてそれは声を上げることもできないでいる個人の問題か疑ってみることが必要だと思います。

支援するということ

我がこととして他人を支援するのは困難さを伴うものですが、あえてそれを行う人を私は尊敬します。4月26日の朝日新聞「ひと」欄に掲載されていた、中島真一郎さん(行政書士登録では「須藤」姓)は、同じ士業団体に属する会員の中でも全国に誇れる稀有な存在です。

虐げられた人々を放置できない中島さんの精神の源流は、熊本大学の学生時代から見ることができます。宇井純さんらによる「東大自主講座」(最終講義は私も聴きに行きました)があったように、水俣病など公害被害者支援の「熊大自主講座」の運営を、担った中心人物です。後に講義録第1巻「生命のみなもとから」(1981年刊)・第2巻「うしてらるるもんか」(1982年刊)を編集出版されています。講義録を読むと、錚々たる講義登壇者のお名前があります。ご自身も2巻とも「あとがき」を書かれています。

アフガニスタンの子どもたちの教育は

アフガニスタンの政権があっけなく崩壊しました。同国と日本とのかかわりでいえば、故・中村医師のような民間での支援が思い起こされます。私も3年前に公益財団法人ジョイセフを通じて子どもが使っていたランドセル2個と未使用の文房具を同国の子どもたちへ寄付しました。子どもたちとりわけ女子の教育支援が必要とされているなかにあって見知らぬ誰かの役に少しでも立っていればと期待しましたが、これからどうなるのか憂慮しています。こうした混乱した地域への支援は、必ずしも政府間のそれが有効とは限りません。相手の政府関係者が中間搾取してしまうことがあるからです。日頃、多くの日本国民が目にすることはないと思いますが、外務省や国家公安委員会が告示しているタリバンリストというものがあります。これは、国際連合安全保障理事会決議に基づく資産凍結等の措置の対象となるタリバーン関係者等を指定する情報リストです。たとえばアルカイダと資金面でかかわりがある人物の個人名やパスポート番号等が官報に掲載されています。私たち行政書士は、こうした人物から業務の依頼は受けられません。同様に企業もそれらの人物との取引は行えません。それはともかく、これから先ますます民間同士の支援が重要になります。日本政府の出番があるとすれば、難民や留学生の受け入れを増やすことではないかと思います。

技能実習生手帳アプリについて

熊本市国際交流会館2Fカウンターにおいて毎月第3日曜日の13:00~16:00、熊本県行政書士会国際部会所属の行政書士による在留資格等に係る無料相談会を開いています。
2021年度は7月まで会場の都合により中止していましたが、8月15日(日)より再開します。
同日は、小職が相談員として対応します。
※会場の都合により引き続き中止となりました。

さらに、「技能実習生手帳アプリ」について、【出入国在留管理庁からのお知らせ】メールマガジン(20210730)より引用してお知らせします。
「技能実習生手帳」アプリをダウンロードしましょう!
役に立つ情報がたくさんあります!
技能実習生のみなさんが入国時に配付される「技能実習生手帳」をいつでも、どこでも見られるスマートフォン向けアプリです。

ダウンロードはこちらから
(Google play)
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.otit.handbook
(App Store)
https://apps.apple.com/jp/app/%E6%8A%80%E8%83%BD%E5%AE%9F%E7%BF%92%E7%94%9F%E6%89%8B%E5%B8%B3-handbook/id1557435015

熊本城東郵便局で無料相談

原則毎月第3木曜日(祝日等の場合、その後最初の平日)の10:00~15:00、ゆうちょ銀行熊本支店1F(熊本市中央区城東町1-1 熊本城東郵便局)において熊本県行政書士会会員の行政書士による無料相談会を行っています。今月(7月)は、15日(木)10~15時に開催されます。当日は担当相談員として参加します。写真は投稿記事と関係ありません。

難民審査が任せられない

昨日の朝日新聞で入管庁長官のインタビュー記事が載っていました。驚きだったのが、「審査にあたる入管職員が、申請者の母国の政治じょうせいなどの知識を深めることや、申請者の協力を得ながら何が起きたのかを聞き出し、現地情報とつきあわせていくインタビュー手法を習得するなど、資質の向上も課題に挙げた」とあった点です。つまり、難民審査を行う入管職員の資質が欠如していることを認めていることになります。難民といった場合、内戦によるものだけでなく、民族や宗教など、政治情勢以外にも社会、文化情勢もあります。日頃、留学や就労などの側面からの在留資格申請を中心に審査する機関では、こうした海外情勢に疎いのが当然とも思います。職員の中に国際政治を専攻したり、紛争当事国・地域に暮らしてた経験をもつ人は、ほとんどいないと思います。しかも、最初の審査は入管の担当者だけで行われ、弁護士などの立ち会いは認められていません。将来的に立ち会いが認められたとしても、国内法には明るくても国際法や国際政治情勢に明るい弁護士はこれまたほとんどいないと思います。結論から言えば、現在の入管庁に審査を任せるのは無理があり、難民条約が求めるところの人権保護を果たせない不名誉な国に成り下がってしまうことになります。

在留ミャンマー人への緊急避難措置

「本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置」について、【出入国在留管理庁からのお知らせ】メールマガジン(20210528)より引用してお知らせします。

本日(5月28日)から,ミャンマーにおける情勢不安を理由に帰国できず,本邦への在留を希望する方を対象に,緊急避難措置として,在留や就労を認めることにしました。詳細はHPをご覧ください。

 

外国(がいこく)の人(ひと)へ・ワクチンの注射(ちゅうしゃ)

外国(がいこく)の人(ひと)へ・ワクチンの注射(ちゅうしゃ)

https://www.nhk.or.jp/nhkworld-blog/200/449742.html?cid=wohk-doml-org_vod_vaccination_updates_gs-202105-003&fbclid=IwAR0ecttVhQjlSWiOj2rNym_r8PlV5IsRzpI_Wq1hmx5oQ9rJ_QtfAanUrWM
色(いろ)んなの言葉(ことば)で知(し)りたい人(ひと)は、NHK WORLD-JAPANのウェブサイトから情報(じょうほう)を見(み)てください。

難民迫害は愚の骨頂

難民送還規定に問題がある入管法改正の今国会における成立がなくなりました。入管施設における長期収容が国際的な批判を受けていたために、それを解消するための改正に際して新たな人道上の過ちを引き起こそうとしていたのが改正案の実態だったように思います。技能実習制度もそうですが、外国人と日本人との人権の扱いに線引きをして扱うというのが法務省という役所の体質なのではないかとすら思ってしまいます。人権擁護の部署もあるのですが、実態はお寒い限りでそれらの関係者の識見の低さに驚かされた経験もあります。

監理人の負担が重い

4月16日、出入国管理法改正案が、衆議院で審議入りしました。今回の改正案は、国際的に批判されてている入管施設での長期収容を減らすために、国外退去処分の手続きが進められている外国人のうち、逃亡のおそれが低いなどの条件を満たす人は、退去するまでの間、施設に収容せず、親族などのもとで生活することを認める内容となっています。そのため、支援者や専門職に監理人に就いてもらうこととして、日本行政書士会連合会へ協力の申し入れがなされている旨の報道もありました。しかし、監理人は、対象者の生活状況、許可条件の遵守状況を監督し、その状況を国に届け出る義務を負います。これに反すれば罰則を科せられ得るとされ、大きな負担を強いる内容となっています。外国人を支援したい人に密告者(スパイ)になれと言っているようなもので、ずいぶんと人をバカにした法案です。この内容では弁護士は監理人には就任しがたいと、日弁連は反対の姿勢を示しています。いま一つの問題は、3回以上の難民認定申請者等について、原則として送還を停止する効力を解除することとしている点です。現在のミャンマー情勢を知る人なら容易に想像がつくと思いますが、ノン・ルフールマン原則(迫害を受けるおそれのある国への追放・送還を禁じる国際法上の原則)に反する恐れがあります。これにも日弁連は反対していますが、みすみす生命を失う危険に外国人をさらすことになりかねないわけで、法案の修正が求められます。

例外規定の活用を

きょうの朝日新聞で国籍がない子どもが3年で3.5倍になっていると報じていました。在留外国人の増加が背景にあり、さまざまな事情で婚姻届けが出されなかったり、父親が不明であるとかの例があるといいます。日本の国籍法は血統主義ですが、日本国内で生まれた子どもで「父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき」(2条3号)は日本国籍が取得できるとする例外規定があることも紹介していました。まだこの規定の活用が進んでいないので、専門家や当事者はこの方法を熟知する価値があると思います。国籍の取得については子どもではどうしようもない事柄ですので、出生地の国が適切に処遇するべきです。明日13~16時は、熊本市国際交流会館において行政書士無料相談会に出ます。

昨日見たドクターヘリ

きのうは外国人のための無料相談会に赴いていましたが、相談に訪れた方はゼロでした。コロナ禍にあって在留資格についてよりも生活福祉のために力になりたい部分が多々あり、それらの関連情報が支援を要する外国人住民に伝わっているか心配です。住民税非課税世帯にあっては生活小口資金の返済も免除される見通しとの報道もありました。ぜひ活用してほしいと思います。相談会が終わって熊本城前電停にいたら頭上をドクターヘリが飛んで国立病院へ向かっていました。本日の報道によると、ヘリ搬送されたのは、虐待を受けた幼児ということでした。子どもからすれば親をえらべないこととはいえまったくもって許されない犯罪です。