親日家レッテルは評価を誤る

7月30日に台湾の民主化に貢献した李登輝・元総統が亡くなった報道に際してNHKがやたらと「親日家として知られる」と強調して伝えていたのに底の浅さを感じました。確かに本人は植民地下の台湾に生れ、日本語教育を受け、日本の大学に進学して学徒動員で旧日本陸軍にも属しましたが、台湾人としての悲哀を覚えざるを得ない人生だったと思います。それを「親日家」というレッテルでひとくくりにするのは、あまりにも日台関係について無知であると感じます。しいて表現するなら、「知日家」であったことは否定できません。自国民第一主義の受信者の皆様には、おそらく「親日家として知られる」と報道した方が心地よいとでもNHKは考えているのではないかと思いました。だとすれば、ずいぶんと自国民をバカにした報道姿勢です。政治家はもちろんのことですが、どこの国民であれ、親しいか・嫌いかではなく、相手を知っているか・知らないかが重要です。知っているからこそ、援助の手を差し延ばすこともあり、非を正すこともあります。無知なる上での一方的な非難は憎悪と侮蔑しかありません。