タレント学者と自称歴史家を野放しにできない

けさの朝日新聞読書面で、日本中世史が専門の呉座勇一氏が石井妙子著『女帝 小池百合子』の書評の最後で「職業倫理や専門性を持たないタレント学者や自称歴史家のもっともらしいヨタ話が社会的影響力を持つ様を、評者は何度も目にしてきた。私たちが対峙すべきなのは、表面的な面白さを追いかける風潮そのものなのである。」と書いていました。この記事を目にしたとき、あれやこれやと該当する手合いの名を思い浮かべました。日頃TVやSNSで見かける著名人の8割がたはこうしたヒマな方々なのではないかと思います。呉座氏が危惧する風潮に抗するためにも、こうしたタレント学者と自称歴史家を野放しにできないですし、地道に信頼できる事実の積み重ねに基づいた検証結果を広めるしかないと思います。
再三引き合いに出している、山室信一氏の著作の中には、明治期からアジア・太平洋戦争にかけての期間に、言論界や諜報活動、教育機関で活躍した熊本出身の人物たちの姿が描かれています。自らの思想や学問を広げたり、追究したりするために動く人物もいる一方で、国策に乗って動いた人物も多数いました。後者については、国の意向に沿った世論形成、軍部の手先という側面もありました。そしてそうした行動は、権力からの資金的援助もありました。結果、歴史上いろんな過ちを起こし、関係諸外国・地域と歴史認識をめぐって現代もあつれきが横たわっています。