香港を見る台湾の変化

けさの朝日新聞国際面の「香港 崩れた50年不変 下」では、香港を台湾がどう見てきたかをまとめていてたいへん興味深い記事でした。最初の驚きは、私自身が1997年の中国本土の現地で感じた香港返還の祝福ムードや高揚感が、1989年の天安門事件を見てきたはずの当時の台湾にもあったという記述でした。「香港は156年の植民地統治を終え、再び中華民族の胸に抱かれた」という書き出しの報告書を対中政策を担う台湾当局が出していたそうです。台湾ドルの硬貨を手にすると中華民国105年とかの年号表記があります。これは清朝を倒した辛亥革命を出発点とするいわば改元に由来します。台湾での建国の父は蒋介石というよりも孫文です。政治体制は異なっても共に中国人という意識が感じられました。ですが、けさの記事の結論は、香港の人々は自らを中国人ではなく香港人と見なす意識が浸透したのと同様に、台湾の人々も自らを中国人ではなく台湾人と見なす意識が高まったことに尽きるのかなと思いました。少し飛躍しますが、台湾のまなざしは、日本における沖縄に近しいものを感じました。そして、その台湾に近い立場が日本にあるとすれば、何なのかいろいろ考えがめぐります。