税額の更正体験記

今週市税務課から手元に届いた「令和2年度固定資産税課税明細書」で今年2月に売却した農地の税額が大幅アップしているのを発見しました。さっそく関連情報を備えて担当課を訪ねました。こちらからの指摘で市税条例に沿っていない扱いがなされていることが判明し、税額の更正に応じてもらえました。私の場合、結果約4万円安くなりました。同様の事例が他にもあるかもしれません。参考までに記録として紹介します。
まず、固定資産税は、毎年1月1日(「賦課期日」といいます。)に、固定資産(土地、家屋、償却資産)を所有している人が、その固定資産の価格を基に算定された税額を市に納める税金となっています。そのことは、市税条例第61条にもありました。賦課期日の課税標準価格が税額相当額算出の基礎となります。たとえば、地目の変換や家屋の改築もしくは損壊があれば、翌年度の価格は変動します。しかし、当年度の半ばに地目の変換があったとしても、当年度の賦課期日の価格が遡って変動することはありません。
それで、地目の変換はどのようなタイミングで実施されるかというと、宅地転用目的の農地で言えば、農地法5条許可が下りたときなのだそうです。県の開発許可を要しない農地であれば農業委員会開催の翌日には許可されます。宅地転用のケースでの登記上の地目変更は、通常、売買による所有権移転が先にあり、土地造成工事・家屋建築工事が完了してからなのでずいぶん後になります。その点、市は宅地転用許可を根拠にした地目の変換をもって課税標準価格を早期に上げて税収を増やしたい動機が働きます。
ですが、今回の農地の場合は、買主手配の士業者が開発許可申請を怠ったため、農地法の許可が下りるまで長期間かかり、越年してしまいました。そのため、税務課が見切り発車で課税地目変更を行う結果となりました。
具体的な日付けは以下のとおりです。
令和1年3月29日 農業委員会開催 左記の翌日に許可書交付として税務課では地目変更
令和2年1月1日 固定資産賦課期日 登記地目:田 現況地目:田
令和2年1月31日 農地法5条許可書交付
令和2年2月1日 課税地目変更 この期日の価格を課税の基礎とするのは条例に反する
令和2年2月6日 売却 買主が着工したのは左記月末以降