昨日の新聞紙面から

昨日、地元紙と全国紙でいずれも水俣病をめぐる行政の杜撰さを示す記事が載っていました。地元紙は、『Y氏裁決放置事件』の出版の紹介です。これは旧環境庁が行政不服審査請求の審査庁として処分庁である熊本県の水俣病患者認定棄却処分を取り消す裁決案を準備しながら、県の抵抗を受けて裁決を放置した事件の記録本となっています。行政不服審査制度は、行政の過ちを補正し、国民の権利利益を回復する制度としてあるのですが、行政庁間の都合でさらに国民の権利を蔑ろにした犯罪記録です。当時の県の部長の狂信的な振る舞いは今日実名を晒していいと思います(本書では匿名ですが、時期から誰であるかは明らかです)。それと審査庁が処分庁の弁明を聴聞する機会はあるとしても、裁決を出す出さないで処分庁の意向に沿うなどという点が、審査制度の信頼を破壊することです。本分をまったくわきまえていません。もう一方の全国紙の方は、施行から10年以上過ぎた水俣病被害者救済法(特措法)が定めている住民の健康調査をまだ一度も行っていない行政の怠慢を指摘しています。いまだ調査の手法も確立していないといいます。なぜ行われないかといえば、調査を行えば今までの認定業務の過ちが明らかになる可能性があるのが最大の理由だと思います。つまり、公式確認から64年経った今も無能ぶりを示される恐れがあるからだと思います。