いじめ探偵の願いから遠い学校ムラ

人権擁護委員向けに隔月刊で提供される冊子『人権のひろば』(2020年3月号)に、いじめ探偵として知られるNPO法人ユース・ガーディアン代表理事の阿部泰尚氏の特別寄稿「いじめ探偵の願い」が掲載されています。同氏が指摘されている状況は驚くべきものですが、実際に学校や教育委員会の関係者に接してみると、残念ながら首肯せざるを得ない学校ムラの世界が広がっています。
まず関係者が、いじめ防止についての法律やガイドラインについて無知あるいは無理解です。誤った対応を行い、事実を隠蔽したり、虚偽の報告がなされることもしばしばです。学校現場も教育行政に係る者もしばしば自己の経験に頼った判断や行動を行いがちです。現役教員と教員経験者という同じ穴のムジナ同士のかばい合いが、学校や教育委員会を守る使命感でいっぱいです。
本市においても昨年6月の市議会で第三者委員会を作る方向になったのですが、翌月の教育委員会では、いじめ防止対策推進法の重大事態に該当する調査報告の取りまとめが年度内には間に合わないという理由で、名ばかりの委員会を作るということに議論が後退しています。発端となった事案は、私が考えるに十分すぎるほど、つまり児童の生命にかかわる重大事態でしたが、不登校30日以上の問題と矮小化する教育長発言が、公表された議事録には見てとれました。この一点だけでも教育委員会の資質が問われると考えます。会議の中で「重大事態」という言葉にするべきところをずっと「重大事案」という言葉で済ませているところからも、出席者が法律やガイドラインを理解していないことが浮き彫りになっています。
新型コロナの影響でやむなくオンライン学習が進められていますが、いじめ犯罪のある学校へ通わされるよりははるかに安全安心なので、影響が落ち着いてからも普及を希望します。