クズ公務員の記録

3月25日に福岡市内にある出版社の弦書房より『〈水俣病〉Y氏裁決放置事件資料集 』が刊行されます。これは、本来は行政の運用の誤りを糺し、国民の正当な権利を実現する、行政不服審査制度を破壊した公務員の恥ずべき行為を記録した資料集となっています。まず、訴訟に例えれば裁判官役の環境庁(当時)が判決にあたる裁決を出す前に、被告役である熊本県へその内容のお伺いを立てていたという不公正な関係が断罪されなければなりません。何度も裁決が準備されながら、熊本県による狂信的妨害に遭い、認容裁決を原告役の被害者遺族へ出さずに放置した不法・怠慢もあります。地方自治体が存在する目的は住民の福祉の増進にありますが、それを妨害した当時の担当者を追及する必要があります。
【出版社の紹介文引用】〈水俣病〉救済制度の正体をあぶり出す資料193点。ひとりの男性(Y氏、1980年死去)が、1974年に水俣病認定申請、さらに1979年の申請棄却処分からその棄却処分取消しを求めて、行政不服審査を請求した。1999年に環境庁と熊本県から水俣病と認定されるまでの経過と真相、責任の所在を明らかにする。従来、ブラックボックスとなっていたY氏の審理に関する環境庁と熊本県のやりとりを示す内部資料(申入書、診断書、弁明書、裁決書等)をすべて収録。1999年1月19日「環境庁は水俣病をめぐる男性の行政不服審査請求において、水俣病と認める裁決を遺族に交付せず放置していた」と報じた新聞記事がなければ政治決着の流れの中で、闇の中へ葬り去られたままだった裁決放置事件を、いま再び問い直す。  誰のための救済制度なのか。