すべての業には時があるというが

昨日の姜尚中氏の講演で紹介された「すべての業には時がある」という言葉を心に刻み、その夜、若くして不慮の死を迎えた中国籍の知人の通夜に参列しました。来るべき時が来たというには、あまりにも痛ましい悲報でした。中国内では漢民族が政治権力を握っていますから、少数民族の故人には自分なりの思いがあって隣国で学び、事業を起こしていたのだと思います。通夜の親族による参列者の謝辞を通じて、故人が普段名乗っていた漢族風の氏名とは異なる、民族固有の故人の本当の氏名を初めて知りました。外国での葬送については遺族に戸惑いがあったかと思います。単に顔見知りという理由で呼ばれてきた浄土真宗東本願寺派の女性宗教家が、読経の後、法話に立ちましたが、時折場にまったくなじまない笑い顔で話すのが軽薄であり、参列者としては不快でたまりませんでした。
次に読む本は、アミン・マアルーフ『アイデンティティが人を殺す』(ちくま学芸文庫、1100円+税、2019年)です。一つのアイデンティティに過剰に帰属することの過ちや恐ろしさについてレバノン人の作家が考察しているエッセーのようです。なんとも書題がぶっそうですが、けさになって同書を手にしようと思ったのは、昨夜の不埒な宗教屋に対する憤りがあったのかもしれません。