一強の弱さ

御厨貴・本村凌二著『日本の崩壊』(祥伝社新書、820円+税、2018年)を読み終わりました。二人の日本国憲法をめぐる発言には首肯できない面もありましたが、ここ150年の日本政治史と栄華から崩壊を辿った古代ローマ帝国史をクロスした読み物は、躍動的で面白いものでした。現在の危機として政権与党の自民党の弱さが同書で浮き彫りになっていたのが印象的でした。一強だけに抱える弱さが実はあるというのがよく理解できます。一つは人材育成機能が弱体化していることです。そのため、政策の党内での競い合いがなくなり、政策集団としての能力が弱まりました。党内の異論反論や熟議が封じられることになり、民意を吸い上げる仕組みも機能不全に陥っていると、御厨氏は見ています。首相だけがやりたいことだけを行うか、何も考えずに首相に付いていき、恩恵にあずかるというように、議員の個の役割が非常に見えにくくなってきているようです。